幸せな人
あるところに幸せなおじさんがいました。幸せなおじさんは職がなく、お金もなく、家族もなく、友達もいませんでしたが、幸せでした。何故幸せだったかというとおじさんは諦めていたからでした。そうです。幸せになることを諦めていたのです。そして日々をただ、肉塊のように過ごしていたのです。おじさんは誰からも愛されませんでした。性格が悪かったからです。しかしある日恋をしました。となりに住むお姉さんを好きになったのです。おじさんはいてもたってもいられず告白しました。僕と付き合ってくださいと。しかし、お姉さんに警察に通報されてこっぴどくお叱りを受けました。そしておじさんは今度こそ幸せになることを本当に諦めたのでした。