闇の王となった者
悪魔が住まうとされている森の奥、そこにひっそりと佇む古びた城があった。
その城は、かつて栄光に輝き民からも愛されていた王。
しかし、隣国との戦に敗れ命を落とす事となった。
王を失った民は、次々とその地から離れていき何時しか人々の姿は無くなった。
何十年もの時間が経ち、人々の記憶から薄れ全てが忘れ去っていた。
カツ・・・カツ・・・カツ・・・
ギイイィィィ・・・バタン!!
「私が眠っている間に・・・」
カツ・・・カツ・・・カツ・・・
黒髪長髪で長身の男。
彼が玉座に座った瞬間、それまで暗く閉ざされていた城が、一瞬にして全盛期だった頃の輝きを取り戻した。
「玉座を守る為、私は自ら禁忌とされていた黒き種を手にし闇の王となった」
それまで誰も居ないとされていた城に、いつしか闇の王の眷属達が行き交う・・・
「我に忠誠を誓う者達よ、私の命ある限り生涯守り続ける」