異世界転生!
少し文章を変更しました3/11
自意識を持ったままの転生はこんな感覚なのか。浮いてるような落ちてるような荒波に呑まれてる様だ。
「うっ!!」
目を開けると光が眩しい、澄み切った青空が見える。良かったこの世界でも空は青いんだな。辺りを見渡すと草原の様だ、何処だろ此処は…。
「目覚めましたか?」
へ?頭の上から誰かの声がする。
「うおっ!!」
「大丈夫ですか?」
「え、うん、大丈夫です。」
「それは良かった。」
俺は驚きながら声の主に返事をしている。この小さな竜が神様の言っていたお供の人?なのかな……。
「申し遅れました私は『ソフィ』と申します。天使見習いをしておりましたが今回貴女の御供としてグリモワールの道先案内を務めさせて頂きます。」
「これはご丁寧に、私は…」
「アスナ=レイテスさんですね。」
「いえ、佐藤 健二と申します。」
「え~と、スイマセン何も言わずに此方を見て下さい。」
天使様改め子竜が視線を向けた先に鏡が出現する、これも魔法何だろうか夢が広がるな。
「うん?女の子?」
「はい、これは貴女です。」
「えっ!!!」
俺は鏡を凝視する、鏡の中の女の子は黄金色で腰まである長い艶のある髪。尖った耳と澄んだ緑色の瞳。少し幼さの残る顔だが艶やかでもある。
「これはどういう……」
「神様から手紙を預かっています。」
神様の手紙にはこう書いてある。
【其方の性別、面白そうだから女の子にしてみたぞ。自分で堪能するも良し男とのムフフな関係を楽しむのも良し、好きに生きるのじゃ。因みに其方の名前は『アスナ=レイテス』じゃ。】
では充実した異世界生活を送るのじゃぞ。 by神様♪
そ、そんな馬鹿な。
「「神様のアホォォォォォォオオオオオオオオオオオオオ!!!」」
俺は有りっ丈の声で空に叫んだ。
「……はぁ。」
「落ち着いたか?」
「少しはねありがとうソフィ。落ち込んでても仕方ないよね、折角の異世界なんだから思う存分充実した生活を楽しまなければ損だ!」
「その意気だよアスナ!」
「所でソフィは何で子竜の姿なんだ?」
「天使の姿じゃ目立つからね、この世界にはドラゴンが居るから問題はないでしょう。」
「そん物なのかな?、まぁ意外と可愛いしマスコットの様で好いかな。」
「えへへっ。」
「それじゃ早速チュートリアルを始めるよ。」
「分かった。」
「まずメニューを開いて。頭の中で考えるだけでいいから。」
メニュー、メニュー、お!これがメニューね。
アスナ=レイテス (女) 15歳
種族 エルフ
称号 なし
Lv 1
アビリティ 0P
技能 剣士Lv 8
体力 ???
精神 ???
力 12
魔力 15
敏捷 12
器用 15
魅力 80
「確認したぞ。」
「それじゃ御褒美にアビリティPを10贈ります。」
!!メニューの数字が変わった。
「早速技能を修得しましょう。」
技能、技能と考えると習得出来る能力がズラっと表示された。
「多くね!」
「そうですね100以上は有りますね。」
これは見るだけでも大変だぞ。
「纏める場合は欲しい能力を想像してみてください。たとえば剣士に必要な能力~とか魔法使いに欲しい能力~とかですね。」
なるほど、剣士・剣士っと。
「おお~、少なくなって見易い!」
「先ずは体力増加と体力回復、戦闘速度などがオススメですよ。」
「ならそうしようかな、どうやって上げるんだ?」
上げ方は簡単だ、メニューを開きながら頭の中で何を習得するか、何にポイントをどれだけ振るかを考えるだけ。
「体力増加に3P体力回復に3P戦闘速度に3P剣士に1Pと。」
メニューを確認するとPが減ってる、体力と精神は数字じゃなくゲージだからどれだけ増えてるのか解らないな。
「振り終わりましたね、では次に魔物と戦いましょう。」
魔物!!まさにゲーム、ファンタジーだね。
「気を付けて下さいね、この世界はアスナの居た世界のゲームを参考に創造されてますが攻撃されれば出血もしますし死にますので。」
ソフィの言葉に俺は気を引き締める。
「魔物は何処に居るの?」
「此方です。」
ソフィの後に付いて行くとゴブリンが居た!
「其れではこの剣をお使い下さい。」
俺はソフィが出した某狩りゲームにで出来そうな幅広の大剣を持つ。
見た目と違って意外と軽いな、俺は玩具の様に片手で振り回す。
「此方に来ますよ、頑張って下さい。」
俺はゴブリンとの戦闘を開始した。
ゴブリンの武器は短剣で動きもかなり遅い、俺は余裕で躱して剣を上段から振り抜く。
「はぁっ!」
バターでも斬るように簡単に抵抗もなくゴブリンを分断した。
「勝ちましたね、ではゴブリンを注意深く見て下さい。」
俺は死んだゴブリンを凝視する、するとゴブリンのメニューが見えた。
【ゴブリン】Lv1
「成程魔物のメニューも見れるんだね。」
「魔物だけじゃなく人やアイテムも見れますよ。詳細に知るなら技能を習得しないとダメですね。」
神様の言う通り御供を連れて来て正解だな、分かり易い。
メニューを見ると体力が減少している。
「何で体力が減少してるんだ?、攻撃受けていないのに。」
「それは体力=スタミナでもあるからです。動けば体力は減ります、この辺はゲームとは違いますね。」
つまり攻撃を受けなくても体力は減り続けると、元の世界と同じだね
体力=スタミナ・命、運動すれば減るし体調が悪くなれば減るのだろう。
「もし体力がゼロになったら如何なるんだ?」
「気絶しますね、人によっては其のまま死ぬ人もいます。」
可愛い姿で淡々と恐ろしい事を。
「心配しなくても休めば回復しますし、睡眠を取ったり食事を取る事でも回復します。」
「……つまり体力が少ない時は小まめに休憩を取り疲れや体調が悪い時は大人しくしてた方がいいと。」
「その通りです!」
ゲーム感覚でやらず今の内に気が付けて本当に良かった。
「次はゴブリンを5体倒して下さい。」
俺はソフィの言う通り動き周りゴブリンを5体倒した。
「では御褒美に初心者セットを送ります。後言い忘れましたがゴブリンに触れてアイテムボックスに収納と考えれば収納出来ます。」
「もっと早く教えて下さい。」
「失礼致しました、お詫びに二万クローネ差し上げます!」
二万クローネがどの程度の価値か解らないけど天使様がくれるなら序盤は乗り切れる額だろう。
「初心者セットには防具とポーションが入っております。
早速使ってみましょう。」
俺はアイテムボックスを開いて中から初心者セットを取り出す。中から出した途端に防具とポーションが飛び出た!
「それは私の力で複数のアイテムを圧縮していたからです。アスナは99種類のアイテムを99個までならアイテムボックスに収納出来ます。」
俺は説明を受けながら防具を着る、革の胸当てに革のブーツと革のガントレットを着て最後に指輪を嵌める。胸当てが若干窮屈だが仕方ない、それにしても巨乳だな。E、F?これが自分の体でなければ喜ぶのだけどな。
「ではポーションを飲んで下さい。」
不味い、美味しくないなコレ。
「体力が回復しましたか?」
メニューを見ると回復してる、さすがゲームで有名な回復アイテム。
「連続で使用しても効果はでないので間隔を空けて飲んで下さい。ではこのまま街まで行きましょう。」
俺はソフィの案内で草原を歩き街を目指した。
途中の道ではゴブリン以外にも大きい狼、ウルフが出て戦闘になる。
ウルフは肉も美味で毛皮も売れるとソフィが説明してくれる。
どうせならドラゴンじゃなくて妖精とかになってくれたら良かったのに。
数回戦闘を繰り返して俺のレベルが3に上がった。
アビリティが10P貯まったので、剣士を10に体力増加を10に体力回復を4にした。
アスナ=レイテス (女) 15歳
種族 エルフ
称号 なし
Lv 3
アビリティ 0P
技能 剣士Lv10 体力増加Lv10 体力回復Lv4 戦闘速度Lv3
歩き続けて少し疲労を感じ始めた頃街に到着した。
「おお!これが異世界の街か。」
ソフィの案内で向かった場所には高い城壁で囲まれた立派な街がある。
遠くには海も見えてなかなか好い場所だ。
「此処は『貿易都市アペリティフ』此処から馬車で2~3日移動した所に王都もあるんだ。」
俺は立派な城門から中に入ろうとして門番に呼び止められた!
「通行証をお願いします」
通行証?そんなのないけど。
『無くても大丈夫だよ、お金を払えば入れる。』
「ソフィ喋っちゃ!!」
「ー???ー」
門番の兵士が不思議な目で見てる。
「大丈夫私の声はアスナにしか聞こえないから、他の人には竜が鳴いている様に聞こえるだけ。」
「子竜か珍しい物を連れているな。」
「はい、偶然森で拾って…」
「それはこの近くの森か?」
「いえ、故郷の森です!」
「そうか。」
危なかった、今完全に怪しまれてたよね。
「通行証がない者は銀貨1枚必要だぞ。」
この世界のお金は銀貨1枚あれば一日生活が出来るらしい。
銅貨1枚 100クローネ
銀貨1枚 1,000クローネ
金貨1枚 10,000クローネ
白金貨1枚 500,000クローネ
つまり通行料は結構高い額になる。俺は門番に銀貨一枚を渡した。
後で聞いたのだがお金はアイテムボックスにかなりの額まで貯め込めるらしい。何時かは満杯になるまで貯め込んでみたい物だ。
街の中に入った俺はソフィの案内で冒険者ギルドに行く。此処でカードを作れば通行証の替わりになるそうだ。
「結構大きい建物だな。」
冒険者ギルドは他の建物に比べるとそこそこ大きい、入口は昔のアメリカ映画の酒場みたいな扉だ。
中に入ると鎧を身に付けた男共が大勢いて女性は数える位のものだ。
現実の冒険者なんてこんな物か、ビキニアーマーのお姉さんとか居るのかと期待したがそれじゃ防具の意味ないしなと無駄に現実的な世界に少し落ち込んだ。
「すみません、冒険者になりたいんですが。」
「はい、では此方に御名前と性別、年齢をご記入下さい。」
俺は必要事項を記入して渡す。どうやらこの世界の文字も書けるようだな。神様様々だ。
「では此方に手を翳して下さい。」
俺が手を翳すと淡く光って全身を包んだ。
「はい、以上で登録完了になります、少々お待ちください。」
俺はその間にソフィに今のを訊いた。
「あれは身元を確認してたんだよ、犯罪者を雇う訳にはいかないからね。」
なるほどねと考えていると受付のお姉さんが帰って来た。
「此方が登録証になります、紛失されますとギルドランクが一からやり直しになりますのでお気を付け下さい。」
俺は登録証を見ながら紙が沢山貼られているボードに近づく。
アスナ=レイテス (女) 15歳
種族 エルフ
ギルドランク F
ソフィがギルドについて簡単に説明してくれる。ギルドへの依頼をこなしたり魔物を倒せば貰ったギルドカードに記録され報酬とランクが上がっていく。
ランクを上げるには試験があるが実力ありと認められれば免除される事があるらしい。どういう仕組みか解らないが依頼された魔物の討伐はきちんと依頼された場所で倒さないとカウントされないとの事、もちろん何処で倒しても倒した分の討伐報酬は依頼関係なしに貰える。
要は普段はどこの魔物を倒してもいいが依頼を受ける場合は指定された場所の魔物を狩れって事だね。俺は一番奥の依頼書を見る、入口側から順にランクが下がっていくように貼リ付けている様だ。
暫く依頼書を見渡してウルフの討伐依頼を受ける事にした。
【 討伐依頼 】
アペリティフ周辺のウルフを討伐してください。
ウルフ十匹で報酬は金貨1枚。
最低でも十匹は狩ってください。
「この依頼をお願いします。」
「はい、ウルフの討伐依頼ですね。」
カードを出して登録、これでウルフを倒せば依頼を達成できる。
「お気を付けて。」
受付の人が頭を下げて見送る、この世界でもこの接客あるんだな。少し日本が懐かしく思った。