第二話「ディラの攻防」
「ギルト!敵の様子は!?」
団長室に入ると、白コートの男が椅子に座っていた。
「こっちは1万、向こうは6000。数では勝っているんだがな………」
「だが、何ですか?」
「向こうは全員騎兵だ。こっちは騎兵1000。騎兵の速さはあなどれない。数で勝っているからと油断すると、すぐに全滅だ」
「なるたけ兵を死なせたくない、と?」
「ああ」
「ふふーーん♪」
ギルトの言葉を聞くと、バンダナの剣士は得意気にニヤついた。
「策があるのか?」
「ある」
「どういう策だ?」
「まあ待て」
詰め寄る師団長を手で制し、レットは尋ねた。
「敵がここまで来るのに、あと何時間かかる?」
「1時間と……半、くらいだな」
「十分だ」
「おい、どういうことだ?」
「待て待て。今から説明してやる」
「あと30分で日が沈むな」
「それがどうした?」
「奴らが来る頃には夜になってるってことだ」
「だからどういうことだ?」
「師団長は、この状況で夜になったらどうする?」
「交代で数十人の見張りをつけながら野営する。そして朝になったら一気にドン、だ」
「不正解」
レットは団長室の机を爪でトントン、と鳴らした。
「ならば、夜襲を仕掛けるとでもいうのか?周りが見えないと、騎馬の機動力も減少するだろう」
「でも、この兵力差だ。あんたはさっき、負けることを心配してたが、必要ないな。奴らは、相当上手く立ち回らなきゃ勝てない。だから、奇襲を仕掛けなきゃならねーわけだ」
「なるほどな………だが、夜襲することがわかったからどうなる?何も変わらないぞ?」
「変わるさ」
レットは右の人差し指を右目の下に添えて、目を指差すようなポーズをとった。
「夜は見えるもんも見えなくなるからな」
うわあぁぁぁおぉぉぉぉう!!!!
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