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血染めの月光軌  作者: 如月 蒼
第二章 冬期休暇編
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第46話 質疑ト応答

 先週は休んでしまって申し訳ありませんでした。読んで下さるという方、ありがとうございます。


[2012/08/26 第45話を、事件発見の際の状況説明が不十分でしたので編集しました。ストーリーに変化はありません]

 レゼルがホーム内の女性用トイレを出たとき、あの帝国人の少女は近くのベンチでセレンやミーファに介抱されていた。

 ミーファとセレンはレゼルが先程までベンチに座っていたところを見ていたようで、何をしているのかと訝しんでいたらしい。そうしたら、何とレゼルは女性用トイレに駆け込んでいくではないか。レゼルが変態の仲間入りになることを阻止しようと女性用トイレに駆け付けたミーファ達は、その入口で青い顔をしている少女を発見し、ベンチで介抱――という流れになったらしい。

 今、少女はミーファが鞄から引っ張り出した毛布に身体を包み、ベンチに座っている。ミーファとセレンはその両隣に座り、小忠実(こまめ)に背中を擦ったりなどしていた。

 彼女たち以外の四人――ノイエラとルイサは少女のサイズに合う服を買いに行って、晴牙は少女の気を落ち着かせる為に飲み物を、そしてミーナは騎士団団長と共に事件現場の検証をしている。

 ミーファやセレンを追って来た四人は、レゼルの状況説明を聞いてそれぞれ行動を開始してくれたのだ。その中でも、ミーナが騎士団に伝達してくれたのは良かった。《(クラウド)》であるレゼルには騎士団と接触するにあたり色々と障害があるからだ。

 少女の服の件は、女性陣が「彼女はスマートな体型をしているから自分たちの服ではサイズが合わない」という結論に達した為、ルイサとノイエラがサイズに合う服を見繕ってくることになった。レゼルは服装には無頓着なので言われるまで気付かなかったが、セレンやミーファ、ノイエラの服では少女の長身に合わないし、ミーナやルイサの服もバストのサイズに問題があった、のだそうだ。見ただけで分かるくらいのバスト差なのだろうが――いや、この話題はもう止めておこう。

「……落ち着いてきましたか?」

「……はい。ありがとうございます」

 セレンの掛けた声に儚い笑顔を浮かべると少女は頷いた。

「……大変でしたね」

 主語が抜けたミーファの言葉は、第五の連続殺人事件の発見者になってしまってという意味である。少女が犯人だという考えは、既にレゼル達の頭の中から抹消されていた。今の少女の様子など、それには色々と理由がある。レゼルは騎士団団長が現場検証を終えたらそれを話すつもりだ。

「あ、いえ……お気遣いありがとうございます」

 レゼルでさえもまだ気分が悪いのに、少女は気丈に笑顔を作る。レゼルにはそれが余計痛々しく見えた。

「あ、敬語なんて使わなくていいですよ。多分貴女の方が歳上だし……」

「でしたら、私にも敬語無しでお願いしま……お願いするわ」

「ええ」

 ミーファと笑い合う少女。少し元気が出てきたようで、レゼルも一安心する。

「私はミーファ・リレイズ。呼び捨てで良いわ。で、こっちの赤い髪の子はセレン。この子は素が敬語だから」

 少女三人の間で自己紹介が始まる。そういえば彼女の名前を知らないな、なんて思いながらレゼルはその輪に入れず、ひたすら七つの旅行鞄に囲まれていた。

 一応レゼルも第二発見者なので、ミーナや騎士団団長からここを動くなと言われている。少女のことはセレンとミーファに任せ切りなので少々手持ち無沙汰だった。

 トイレからの少女の悲鳴と、騎士団が駆け付けたこと、更には街で一番有名なリレイズ親子がいるという理由で、現在駅のホームは騒がしさを増している。少女三人が座るベンチとその前に立っているレゼルを中心にクレーターができたように、野次馬が円を描いて囲んでいた。

 今までの連続殺人事件のこともあり、リレイズの住民たちは少し気が立っている。騎士団が硬い顔をしていただけでも不安を煽ってしまう要素になり得る今、ホームに人が集まってしまうのは当然のことだった。勿論、帝国人の少女が何やら関わっていそうだったり、その少女を介抱しているのがミーファだったりという理由もあるのだろうが。

 周りが煩いなぁ、なんて考えつつも、レゼルにはコートのフードが外れないように気を配ること、顔を見せないようにすることしか出来ない。こういうとき、《雲》って不便だよなぁなんて思う。完全に他人事な思考なのはもう慣れてしまっているからだ。嫌な慣れであることは承知している。

「……ね、ねぇ」

 やや震えた声を少女から掛けられたのは、溜め息ともとれる細い息を吐きだしたときだった。

「ん?」

 どうかしたか、という意味を込めて呟くように言い、セレンとミーファに挟まれて座っている少女に目を向ける。少女は綺麗な水色の瞳に揺蕩(たゆた)う光を戸惑うように揺らしながら、口を開いた。

「……あの、き、君の名前は――」

「君、もう気分は落ち着いたか?」

 少女の声を遮ったのは野太い男の声。レゼルは肩越しにちらりと後ろを振り返った。

 現場検証を終えたのだろうミーナと騎士団団長ガラドは、女性用トイレを出てこちらへと歩いてくる。

「あ……」

 何故だか名残惜しい声を溢す少女の視線を(うなじ)に感じる。先程彼女が言いかけたことから察するに名前を教えて欲しいのだろうが、騎士団団長の前でレゼル・ソレイユという名前を出すのは憚られた。申し訳ないとは思いながらも完全に少女に背を向けると、少女は数秒前の野太い男の声が自分に向けられたのだと気付いたのか、項への視線は離れていった。

「は、はい。もう大丈夫です。ミーファやセレンがいてくれましたから……つ、ついでに、その人も……」

 慌てて立ち上がりながら少女が答えた。だが、彼女の身体はミーファやセレンにまだ休めと腕を引っ張られてすぐにベンチの上に戻る。

 その人、というのがレゼルだということは考えなくても分かる。今度は背中に目を向けられた気配がしたし、少女の傍にいたのはミーファとセレン以外ではレゼルだけだ。――で、ついでにって何だついでにって。

「そうか、それは良かった」

 騎士団団長ガラド・メイルは重厚な赤銅色の騎士鎧をガシャリと鳴らして頷いた。(かぶと)から覗く髭を生やした岩壁のような顔は、申し訳なさそうに歪みながらも安堵の色が滲んでいる。

「君も大丈夫か?」

 ガラドはその顔のままレゼルの方を見た。一瞬、何のことだろうと思ってしまったが、すぐに自分は第二発見者なのだと思い出す。ガラドはそんなレゼルも心配してくれるらしい。

「……」

 レゼルは無言でただ頷いた。目線も合わせていない。

 声を出さなかったのは、ガラドとは一度、創造祭期間中に会っていたからだ。あの時は女装していたとはいえ――否、女装していたからこそ、声でバレるなんてことはあってはならない。今、レゼルは普通に男性の格好をしているのだ。和風喫茶で働いていた黒髪美少女(自分で言うな)が実は男だなんて気付かれるのは、正直《雲》だとバレるより嫌だった。だって滅茶苦茶恥ずかしい。あの時は少し声を高めに変えていたが、バレないとは限らない。

 そして、目線を合わせなかったのはただ単にフードに隠れた顔を覗き込まれたくなかったからだ。実際、レゼルは暗い路地裏から出てからは帝国人の少女ともあまり視線を合わせていない。

 だが、レゼルのそんな意図に気付いたミーナが、眉間を指で押さえながら小さな声で言う。彼女の顔色が少しだけだが悪いのはあの死体を見た所為だろう。

「大丈夫だよ、レゼル君。ガラドさんは純種主義者じゃないから」

 純種主義者――《雲》でない者だけを人間と認め、《雲》を人間ではないとする人のことだ。

 ミーナの言葉を受けて、ガラドは驚いたように目を丸くした。

「そうか、君がレゼル・ソレイユか。ああ、安心してくれ、儂は差別などするつもりはない」

 ガラドは《雲》という名称を避けながらも、ミーナと同じく周りに聞こえないように小さな声でそう言い切った。

 創造術宗教団体を中心に広がる純種主義を持つ人間は、よく「これは差別ではない。区別だ」という言葉を使う。ガラドは純種主義者でないと証明するために「差別」と言ったのだ。

 彼の真摯な態度を受け、レゼルは軽く会釈を返した。

 そして、ガラドは先の会話にはてなマークを浮かべている少女に向き直る。

「君は容姿から帝国人じゃと判断しているが……まず、名前と簡単なプロフィールを教えてくれないか」

「あっ、は、はい。私は有紗(アリサ)・A・クランベールと言います。アルカディア帝国出身の18歳です」

 アリサ――レゼルは彼女の口から紡がれた名前を頭に叩き込んだ。帝国人はファーストネームが漢字になるはずだが、アリサとはどう書くのだろう。それにしても、彼女が歳上でほっとした。帝国人は身長が高いのがその特徴だが、流石に歳下の女性に身長で負けたくはない。

 ガラドは少し考えるような間をとってから、再び質問を始めた。

「アリサ、じゃな。そうか、やはり君は帝国の……すまんが、名前の正式な漢字も教えてくれるか」

「あ、はい。えっと、有る無しの『有』に、糸と少ないで『紗』です」

「……ふむ、ありがとう。では、何時、どうやって、どうして王国に? ……亡命か?」

 亡命、という言葉に有紗の肩が僅かに震えた気がした。

「……は、はい。あの、帝国ではまだ奴隷制度が廃止されていないことはご存じでしょうか」

 しかし、次の瞬間には彼女は気丈に前を向き、ガラドの瞳を真っ直ぐに捉えた。

「……ああ、知っている」

 先程より遥かに重くなった声でガラドが答えた。帝国は未だに奴隷制度を無くしていない――それは有名な話だから、ここにいる六人は皆知っているだろう。

「……私は、幼い頃に両親を亡くしました。身寄りもなかったから、奴隷になるしか生きる道は無くて……私を売ったのは近所のおばさんでしたけど」

「……それで、君は逃げてきたんじゃな? このディブレイク王国に」

 コクリ。数秒の後、有紗は小さく頷いた。

「でも、逃げるなんて容易に出来ることなのか? 俺は帝国に行って奴隷にされた人間を見たことがあるけど、足首が鎖で繋がれてたりして……一般人が簡単に逃げられるような環境じゃなかったと思ったけど」

 騎士団団長と事件の第一発見者の質疑応答に、口を挟んだのは第二発見者――レゼルだった。

 彼は幼い頃、姉に連れられて帝国に訪れたことがある。だが、正確に言えば彼は奴隷にされた人間を見たことがあるだけではなく、自分が奴隷になったことがあるのだ。まぁ色々あってそんなことになったのだが、当時まだ創造術が使えなかったレゼルでは奴隷から抜け出すことは出来なかった。勿論、逃げることも。

 創造術師はエナジー脈が発達していて、誰しもの身体から無意識に漏れだすエナジーは一般人と創造術師では多大な差がある。レゼルが視たところ、有紗は創造術師ではない。奴隷であった一般人の彼女が亡命するのはかなり難しいはずだ。

 レゼルの疑問を受け、有紗は彼の方に視線を飛ばしながら困ったように眉を顰めた。

「……そうね、逃げ出すのは簡単じゃないわ。逃げ出したんじゃなくて、多分、私は(あるじ)から何かを頼まれてここに来たの。でも、何を頼まれたのか全く覚えていなくて……帝国に帰らずに王国に亡命することに決めたのは三日前よ」

「主、か……」

 ぽつり、呟いたレゼルに有紗は弱々しい笑みを向けた。

「顔を見るどころか、声さえ聞いたことがないわ。その主に何を頼まれたのか、私は全く覚えていない……その頼みを受けて帝国からここ、リレイズの街まで来る間の記憶が、ぐちゃぐちゃになってるの。でも、普通にこの駅で止まる汽車に乗ってきたことは分かるわ。気付いたらこのホームに立っていたから」

「記憶の混濁……風邪の所為ではないわよね?」

 有紗の隣に座っているミーファが、酷く心配した表情で彼女の額に手のひらを押し当てた。

「風邪?」

 ガラドを挟んでレゼルの反対側に立つミーナが、有紗を見ながら訝し気な声を発した。ミーファは有紗の体温が正常であることを確かめてから手を離し、自分の母に顔を向けて頷く。

「ええ。有紗が薄いシャツと短いスカート、それにニーソックスとレゼル君のマフラーしか身に着けていなかったのは現場検証の前にお母さんも見てるでしょ? でも、有紗、そんな格好でも寒くないって言うのよ。体温は正常だから、熱はないと思うのだけど……」

「あの格好でこの気温、寒くないのは風邪だとしても異常ですが、取り敢えずは風邪と判断し、今は毛布に(くる)まってもらっています。それと、彼女のサイズに合う服をルイサ・エネディス教師とノイエラ・レーヴェンスが見繕ってくれています。もう少し経てば戻ってくるでしょう」

 ミーファの語を継いだのはセレンだった。ルイサやノイエラがフルネームだったのは騎士団団長のガラドにも言っていることだからである。

 ガラドはベンチに座る少女三人を眺め、そうか、と短く言った。

 因みにガラドとセレンは初対面ではない。創造祭中、A組の出し物『和風喫茶』前で起こった乱闘騒ぎの後に会っている。そして、ミーファやミーナは二人とも生まれたときからの知り合いだそうだ。

 有紗は両脇から心配そうに顔を覗き込む二人に大丈夫だと声を掛けた後、ガラドに向かって説明の続きを始める。

「リレイズの街に来たのは四日前のことです。それから、多分主からの頼みを果たす為に持たされた少ないお金を遣り繰りして、今に至ります。それで……えっと……」

 酷い状態の死体を見たという恐怖と気持ち悪さを必死で押さえながら、何とか今までスラスラと言葉を続けていた有紗の声が詰まった。

 どうしたのかと思っていると、彼女の顔はこちら――レゼルの方へと向けられる。一瞬だけ訳が分からずに眉を寄せてしまったレゼルだったが、すぐに彼女の言わんとするところに気付いた。周りにいる野次馬には届かない小さな、けれどはっきりした声で言う。

「俺の名前だろ? ――レゼル・ソレイユだ」

 有紗は、どうして聞きたいことが分かったのかと驚いたように瞬きしてから、しかしすぐにガラドへ視線のベクトルを戻した。

「彼――ソレイユ君と会ったのは駅前のロータリー広場から入る路地裏です。痴漢から助けてくれて……」

 あれはもう痴漢ってレベルじゃなかったけどな、とレゼルは口に出しそうになったが色々と面倒なことになりそうだったのでそれは喉の辺りで何とか抑え込む。ここにはリレイズの治安を守る騎士団のトップや街の領主までいるのだ。

 有紗の言葉は続く。

「ソレイユ君は私の薄着を見兼ねて親切にしてくれて、ミーファ達がいるホーム内に彼と入りました。でも、ミーファ達に会う前にトイレに行ったんです。その、普通に……し、し終わって、手を洗っていたら、鉄が錆びたような臭いが混ざった……えっと、そう、何だか酸っぱい臭いがして。不思議に思いながら洗面台の前の大きな鏡を見て……そこに映っている一番奥の個室、の扉下、から……ち、血がッ……」

 その時のことを思い出したのだろう、有紗の顔からみるみる血の気が失せていく。声を出すのも辛くなった彼女の背中をセレンが優しく擦った。

「……っは、はぁ……もう、大丈夫よ。ありがとう、セレン。――タイル張りの床が血に染まっていくのを見て、私はおかしいと思いました。でも、その……もしかしたら、せ、生理……きてる人なのかなって、私は扉をノックしました。勿論、返事なんて返ってこなくて、よく見たら扉は開いていて……ゆっくり、開けたら、便器の上で、人が、死んでて……」

 有紗は息を整えるように途切れ途切れに話す。

「そうか、分かった。ありがとう」

 ガラドは有紗の説明の間に短く言葉を滑り込ませると、レゼルの方へちらりと目をやった。ここから先はお前が説明しろということだろう。

 レゼルは小さく頷いてから、

「それで、有紗が悲鳴を上げた後に駆け付けたのが俺だ。俺は男性用のトイレに行ってて、出た後はそこのベンチ――今、有紗たち三人がいるベンチに座っていた。悲鳴が聞こえたのはトイレから出て三分後くらいだと思う。悲鳴が有紗のものだと分かって、衝動的に女性用トイレの中に入って……で、床に座り込んでる彼女を見つけたんだ」

 一気に言い切り、レゼルはふぅと細い息を吐いた。

 フードの奥からガラドの瞳を射抜くように注視する。彼の顔は思案顔ながら、その眉は僅かによって眉間に皺を作っていた。

 ガラドはレゼルを見返さないまま、口を開こうとする。だが、そこから発せられる声をレゼルは遮った。

「まさか、有紗がリレイズに来た日と連続殺人事件が始まった日が同じだから――とか思ってませんよね?」

「……発見者が犯人かもしれないと疑うことは騎士団の義務じゃよ。実際、その二つの日付は噛み合うじゃろう」

 ガラドの言うことは尤もだ。だが、レゼルはそれに否を唱え、ゆっくりと首を横に振った。

 と、その時。駅のホームにポーンという電子音が響き、続いて若い男の声で何やら放送が流れ始めた。周りの野次馬が何だ何だとざわつく。

『――本日七時発のエリュシエル行き寝台夜行便は諸事情により発車を見送ります。乗客の皆様には大変なご迷惑をお掛けします。発車時間は未だ未定です、申し訳ございませんが次の放送連絡をお待ち下さい――』

 本日七時発、エリュシエル行き寝台夜行便――レゼル達が乗り込もうとしていた汽車だ。

 少し考えれば、どうしてその汽車の発車時刻が送れたのかはすぐ分かる。駅のホームで連続殺人事件の第五回と思われるものが起こったからだ。

 王国の外へ出る為の汽車は王都レテールからしか出ていない。ディブレイク王国はかなりの国面積を誇る為、リレイズから王都に行くにも寝台付きの夜行便に乗らなくてはならないのだ。もし連続殺人の犯人がすぐに国外逃亡するのだとすれば、七時発のエリュシエル行きに乗車するのは当たり前である。

 汽車の発車を遅らせたのは騎士団団長ガラドの部下だろう。なかなか手が早い。

「……それで?」

 ガラドが話の続きを促すように目を細めた。その奥には何やら楽しんでいるような光が見える。彼も結構食えない人のようだ。

「有紗・A・クランベールは犯人ではありませんよ。勿論、俺も」

 不安そうに自分の身体を抱き締める有紗に向かって、レゼルはきっぱりと言った。

 読んで下さりありがとうございました。

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