第33.5話 女の子には恋をさせよ③ with Luchia.
短編第肆弾! ……というよりSSです。
今回もセリフのみ。
時間軸は創造祭二日目の午後。
「あれ、ルチアさんじゃないですか。こんにちは」
「ん? あ、レー君……て、あれ、一人? セレンちゃんは?」
「セレンは今、レズビアンな教師に連れ去られています」
「は?」
「ともかく今セレンは一緒じゃないんです。あまり気にしないで下さい」
「そ、そう……レー君は何してるの? 大通りで」
「創造祭二日目も特にやること無いんで、一人で寂しく歩いてるだけです」
「それだけっ?」
「はい」
「ふーん……お店入ったりとかしないの?」
「フードで隠しているといっても、やっぱり俺は入りづらいので。一人ですしね。――あ、ルチアさん、歩みを止めないで。大通りでは他の人に迷惑ですから。歩きながら話しましょう」
「あ、ごめんごめん……じゃーさレー君、あたしとどっか行かない?」
「どっかって何処ですか?」
「それは今から決めるんだよ、レー君は行きたいお店とか出し物とかないの?」
「特にないですね」
「少しくらい考えてもバチは当たらないと思うけど?」
「……うーん、行きたいとこかー、何処だろー」
「棒読みの言葉発しながら考えるフリしないでくれるかな? あたしがダメージ受けるんだよね、そういうの?」
「ご愁傷さ……」
「ご愁傷さまとか言われたらレー君の肋骨何本折れるかな?」
「……すいませんでした」
「宜しい?」
「そんなとこまで疑問系? ――まぁ、俺は暇なんで、ルチアさんに付いてきますよ。ルチアさんこそ行きたい所とか無いんですか?」
「特に無いね?」
「ちょっとくらい考えてもバチは当たらないと思いますよ。あれ、なんか今デジャヴった」
「ていうか本当に何処行こっか? うーん、喫茶店でお茶でもする?」
「俺昼飯食ったばかりなんですけど」
「えぇぇー?」
「……分かりました、良いですよ。それなら、駅前の広場に良い喫茶店が――ってルチアさん! 歩みは止めないで下さいってば!」
「え?」
「『え?』じゃないですよ、後ろの人達詰まってますから! 歩きながら考えて下さい」
「あっ、うん、ごめんなさい――って、え?」
「ルチアさん? どうしたんですか――」
後ろの人「あ、あの、貴女はルチアーヌ・セヴェリウムさんですよね? 《暦星座》の!」
「え、っと……そ、そうだけど……っていうかまず手を放して欲しいな?」
後ろの人「凄ぇ! 本物のルチアーヌ・セヴェリウムだ! 緑様だ!」
「誰が緑か」
後ろの人「何でリレイズにいるんですか!? あ、創造祭だからですか!?」
「ちょっと……誰だか知らないけど、いい加減、手、放して――」
野次馬A「ルチアーヌ・セヴェリウムだって!?」
野次馬B「えっ、ルチアーヌ様が来てるのかっ?」
野次馬C「何処!? 何処にいるの!?」
野次馬D(もとい変態)「何処だ俺の女神様はっ!?」
野次馬E「ルチア様がいるって、何処!?」
野次馬F「ルチア様! 見たい!」
野次馬G「みっくみくだぜ!」
「ちょっ……きゃあ!? やばっ、これは本格的にバレたっ……!」
「ルチアさん!」
「れ、レーくn……」
「ルチアさぁーんっ!? くそマズい、もう人集りでルチアさんが見えない!」
「くっ……ちょっと、アンタいい加減にして! 手、放して!」
「ルチアさん! ……成程、最初にルチアさんに気付いた奴が腕を掴んだまま放さないのか。ちょっと待ってて下さいねルチアさん、今人集り掻き分けますから!」
野次馬B「ちょ、おい、何だお前!? 押すなフード野郎!」
「うるせぇ! ――ルチアさん、大丈夫ですか!?」
「レー君!?」
「早く、俺の手を握って下さい! そこから引っ張り出しますから!」
「え? あ、うん!」
「じゃ、行きますよ! 走って!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……ふぅ……」
「路地裏まで来ればもう大丈夫でしょう。ルチアさん、大丈夫ですか?」
「う、うん、大丈夫。ありがとね、レー君?」
「どういたしまして。でも、次からは気を付けて下さいね。野次馬の中に、何か変な奴もいましたから」
「ごめんなさい……ね、レー君?」
「何ですか?」
「……あの、手が?」
「え? あ、あぁ、すみません。握ったままでしたね、放すの忘れてまし――」
「い、いいよ、放さなくて!」
「え? でも、最初にルチアさんに気付いた奴に、何度も『放して』って言ってましたよね?」
「れ、レー君だからいいの! ほら、手を繋いでエスコートするのは男の子の役目だよ?」
「えっと……? まぁ、ルチアさんがいいなら手を繋いだままでも別に構いませんけど。じゃあ、気を取り直して。何処行きます?」
「……何処もいかなくていいかも?」
「は?」
24歳、只今絶賛恋愛中
『君と一緒なら何処だって楽しいよ?』
読んで下さり、ありがとうございました!
やっぱり乙女思考警報発令中。




