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直球で質問!

「……なるほどねえ。アンゼリカ姫は、この皇城に気後れしないわけだ」

 暫くして、ベイルリスはぽつりと呟いた。妖精はアンゼリカの肩越しを見つめる。目隠し越しにも、視線がそちらに向いているのが分かった。首を傾げるアンゼリカをよそに、独り言のように続ける。


「……アンゼリカ姫が昨日あそこを通りがかったのはエリザヴェータのせいだし、絵画搬入の日程にも狂いがあったという。不確定要素が大きかったのは否めない。でもねえ……」

 妖精が、微妙に視線を強めたのが分かった。


「ソフィア。君、まさかわざと手を抜いているのかな?」

 少し呆れたような声だった。それにソフィアはにっこりと笑い返す。

「まあ……うふふ、そんなはずがないでしょう。皇太子殿下直々のご命令なのですから、必ずや妖精の加護があるでしょう」


 そう、ソフィアは常に全力だ。アンゼリカ独特の感性や感じ方。そこに望みをかけ、無鉄砲な絵図を描いているだけである。


「…………」

 一方アンゼリカは、ちらりと妖精を盗み見た。先日の一件について、聞きたいことがあった。ただ、侍女たちの前では少し躊躇われる。気を付けてはいるのだが、中々機会が訪れない。


(何とか内密に、こっそり話す機会は…………)

 アンゼリカは湯気を見つめてじっと考える。そして、

「ベイルリス様。どうして私に悪戯を仕掛けたんですか?」

 結局真正面から疑問を投げつけた。一応声は落としてある。聞かれていたとしても、後で口止めすればいいという考えだった。


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