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ユーリスの懸念

 そんなこんなで、何とか舞踏会は無事に終えた。だが部屋に戻る間、ずっとユーリスは険しい顔をしていた。


「ソフィア。君は首飾りのことに気づかなかったのか」

「き、気付きませんでした……確かに、緑柱石の首飾りをお召だったはずなのですが。どこで変わったのか、分からないのです……」

 今になって衝撃が追い付いたのか、ソフィアは青ざめた顔だった。アンゼリカは見かねて口を挟む。

「あの、ソフィアさんを責めないで下さい。あれは、私がルイーゼ様にお願いされて身につけたもので……」

「そもそもどうしてそんなことを安請け合いしたのです」

「そこはその、どうしてもとお願いされまして……えっと、ソフィアさんにはこれが緑柱石に見えていたんですか?」

「はい、そうとしか思えませんでしたし……証言してくれるでしょうから、侍女たちにも確認してください」

 だって、そうしてくれないと死ぬとまで言われたのだ。無視するわけにもいかないではないか。着替えの時も特に指摘されなかったので、大丈夫かと思ってしまったのだが、どうやらソフィアたちの目には何かしら誤認があったらしい。


「……妖精の悪戯ですか。よりによってこんな時に……」

「……す、すみません」

 その言葉に、ベイルリスのことを思い出したが、アンゼリカは口を噤んだ。今それを言っても、事態は好転しないからだ。


 ユーリスは心を鎮めるように息を吐き、アンゼリカにも厳しい目を向けた。顔立ちが美しいだけに怒った表情は一層怖い。


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