白薔薇の午睡、発見!
そしてそれは事実で、皇家の者でも即日入手できないはずの貴重品は、実にあっさりと見つかった。
「ええ。白薔薇の午睡なら……前に陛下から贈られたものがあったわ……」
物は試しで聞いてみたアンゼリカに、ルイーゼはあっさりと首肯した。すぐに侍女に命じ、死蔵していた香を出させた。その箱は綺麗なままで、開けてすらいないようだった。
「え、あ、ありがとうございます。でも良いですよ。折角の贈り物なら悪いですし……」
「良いのよ。先妻の香りなんて悍ましい……。敗戦国の王女から皇妃になった私にとって、ヴァイスでの日々は苦痛の連続でしかなかったわ。……でも、貴女は私に優しかったもの」
その声には真情が籠っていたが、同時にどうしようもなく救われない、淀んだものを感じさせた。
「……さあ、持ってお行きなさい。いいえ、これだけでなく……この部屋にある何もかも、必要ならば持っていけばいいわ。もう全て、私には必要ないのだもの」
「………………」
小さいながらも精緻な細工で飾られた、美しい香箱。アンゼリカはそれを前に、不思議そうに目を瞬かせた。
それから一時間後、アンゼリカは部屋に戻った。
「ただいま戻りましたー!」
元気よく扉をくぐったアンゼリカは、控えの間にソフィアを見つけ、笑顔で声をかける。
「あ、ソフィアさん。ちょうど良かった、少し手伝ってくれませんか?ルイーゼ様のところに行ってきたんですが、預かりものをしてきまして……」
「カサンドラ皇妃のところに!?な、何かお受け取りになっていませんか……!?」
「はい、そうなんです!これなんですけど……」
そしてアンゼリカが見せたものに、ソフィアは目を見開いた。それに構わず、アンゼリカは笑顔で続けた。
「それからちょっと、教えてもらいたいことがあるんです!」




