6話「何も知らない僕ら──ネットカフェで密会⑥」
6話「何も知らない僕ら──ネットカフェで密会⑥」
ケンゴは言った。
「資本と資本の銀行間での交換が減ったり資本の再生産──話題性のある新しく興味を引く流行──とかが縮小することでついに恐慌が到来するんだって。大手の銀行一社が倒産することでその他大勢の地方銀行などで行われる企業などからの融資の依頼に応えきれなくなることで→店舗側が事業継続出来ない→破産→一般人が物を購入したり食料などの物流も滞ることになる=【恐慌】と言う恐ろしいことが起こりうるんだって。
1929年から起こった世界恐慌は聞いた話によるとアメリカが他国との貿易=ヨーロッパからの輸入をあまりしなかったことで輸出過剰になって自国の商品の在庫が膨大になって起こったんだって。その頃のヨーロッパの経済って第一次世界大戦後で冷え込んでて経済の安定したアメリカから商品を輸入することでバランスを保てていたんだけどヨーロッパも経済的に安定し始めて自国で生産できるようになってアメリカからの輸入に頼らなくても良くなった──のだけどアメリカはヨーロッパ経済圏の自立の事実を認めたくなかったんだろうね。
今で言うところのテレビ局とゲーム産業=高齢者と一般層=スポーツマンとオタク……みたいな感じかな。繰り返しになるけどウラヌスとクロノスの神話の再生産モデルだね。ほとんど子供同然に扱われていたサブカル産業の熟成化によって一般層の認識は大いに変わったんだけどそう言う現実を多くの富裕層──○ーチンとオリガルヒのような──は絶対に認めたくないんだろうね。
興味のない話に私たちが反応できない──本を読むことがないから歴史や地理などの社会科の勉強がはかどらない──などのように必要だけど反応できないものって人間にはあるけどそう言うパンドラの箱のようなものを私たちは今開こうとしているんだろうね。最後には小さな希望の光が残っていました──と言うめでたしめでたしの神話だけどそのゼウスからもらった箱には悪や災厄や不幸がたくさん入っていて「何もかもが違う!」まるで○○豊のようにロシアの若者やその他大勢が破壊のかまどよろしく声を封殺されているんだろうね。
一番仲良くすべき西側諸国から相手にされなくなっている……情報の裏を取れない劣化版黒魔術の日本人じゃないんだから対話に開かれない社会の異常性──会話が成立しない大人と子供のような現実って終わるべきなんだと思う。風の時代──Age of Aquarius(水瓶座の時代)って本当だったんだね。
「それはないです」って言っても○のように証拠が残っている、中世の西洋社会のように否定してもあるものはあるし顔出しNGの芸能人みたいなもので存在しないものってゼロの概念を作ったインド哲学じゃないんだから文字媒体も映像媒体も物的証拠はどんなものにもあるよね。芸能人自体がオリガルヒみたいに何もよく分かってない外野の支配者みたいなものになってるね。
2000年代から始まるネットのインフラ整備はとっくに整っているのに「動画って何?」と全然興味のないとぼけとしらけの混じった表情で言った大物芸能人みたいなもので長老クロノス……資産階級になると情報は右から左にまるで認知症患者のように消えていくんだね。ロシア革命の起こった背景もきっとこんな感じだったんだと思う。
何もかもが違う──ソードの3の胸に突き刺さった怒りと悲しみ、第四チャクラで何も言えずに宙吊りになっている本音で話せなかったいじめられっ子代表の魔王サタン。頭で考えたらなかったことにしてずっと不全感が続くか発狂するかしかないのだけどこういう時は呼吸を整えて沈黙を守る……やり過ごして破壊のかまどの圧力を高める♥
──と言う地獄のような方法でしか自分も社会も変えていくことが出来ないよね。沈黙を守り動くことがない──アリストテレスの中庸の概念、激しい怒りと絶望の赤色の聖杯から沈黙と静寂と平和を守る青の聖杯へと感情の水がtransport(伝送)するには非常に時間がかかる。メディアを見てても全然面白くないしクーデターも起こったしかまどの怒りと熱と怨嗟のエネルギーはけっこう強くなってるんだろうけど。
何かマルクスは商業資本や金融資本に対して“哲学的な敵意”を持っていて同様にアリストテレスも資本というものを嫌っていたんだって。金持ちって全体的に先のことを考えるのが壊滅的に下手でだよね。
「固定資本」は不変資本Cと可変資本Vと剰余価値mの合わせ技で成り立っているのだけど、可変資本Vは労働力のことを指していてそれって言ってしまうと資産家にとってはただの“流動資本”で彼らにとっての労働者は川を流れる水のような誰でもいいもの=whoeverの存在なんだよね。
学校の教室内の担任にとってはクラスの生徒全員が川魚ですらない水=空気のようなもので彼らはずっと一人の命として生徒と対面していなかったのかも。何か今考えてみると先生っていじめっ子とか金持ちに近い上から目線でしか生徒に関わってなかったわ。
授業中分かり易い説明もしてくれなかったし勉強に関心を持たせるきっかけも作ってくれなかったし、まぁその他大勢の生徒が図書館とかに行って学術書を読んで自主勉するって言う話は聞いたことがないけど恐らく先生自身は職員室に入ってきて勉強の質問をする向学心の芽生えた生徒とかの質問に答えたくなかったのだろうね。仕事が増えるから。
勉強するきっかけって誰かに作ってもらうか自分の実生活上で必要性に気付くか? しか普通に考えたらこの二択でしか伸ばすきっかけがないけど今考えると学校って何も期待しない大人を作って、でかい声を上げる生徒の圧に負けて誰もが本音で語れなくなる……私たち万人が気持ち良くない人間になるために義務教育の洗礼を受け続けていたことになるね。
私たちがアニメやゲームに夢中になる背景ってただ単に「それが面白いから」好きになったのではなくて言い方が悪くなるけど「感情を激しく揺さぶられる新しい対象♡」を見つけられないから私たちはこのサブカル要素ばかりを好んで視聴したり遊んだりしていると言うことになる。
アニメやゲームって見ることで完結するコンテンツだから日本史研究とか株資本の勉強とか相対性理論の研究とか自分の目で本を読んで確かめて理解を深める──程には頭を使っていないんだよね。
パズルゲームと言うジャンルがあるけどそれってゲームの上手い人のように生来的にホロスコープみたいに好きかどうかとか関係なく得意な人にしか対応してないんだね。ゲームの世界もスポーツ界とかプロ棋士と同じで最初から得意な人しか本物のプレイヤーになる資格のない狭き門なんだ。
私たちは今自ら好んで何も考えずに自己忘却の為の時間ばかりを取って重度のゲーム中毒者のように前頭葉を縮小させて認知症を発症させている──自分たちは目を酷使することで自ら劣化した人間へと堕ちて行きコンテンツが充実してきたからロックミュージシャンの感じる程には体制派の社会について何の疑問も持たない迷える子羊たちでもない食肉加工されるのを待つ羊肉=一定の自由を保証されれば満足な呑気な小学生のような意識状態の人間=画家が一軍隊の指揮を執っていたフランス革命前の仏の社会状況……に近いものを形成しようとしている。
○ロ○ロコミックの需要が若者の間で一定の支持を得る現代はナポレオンが舵を切ったフランス革命当時に近い程度には頭の悪い人間が大手を振って社会に蔓延っているね。ロシア革命前のロシアでも列車を運行する人間が列車の操作方法を知らない──運営側にも責任者不在の壊滅的な職場環境──があったんだって。バカが増えると革命の気運が高まるんだね。人間の命の尊厳がこう言う資産階級の大人の手によってガタガタにされるのは我慢がならないよね。
今の話マチコはどう思った?」
マチコはへぇーと言って興味深げに吐息を漏らすと「面白い話だね♡」と不謹慎ながら子供のようにキラキラと興味深げに目を輝かせて言った。
「自立を認めたくないアメリカと経済的に成長したヨーロッパは親と子供のような関係だよね。何か働くことを許されない富裕層の子供っているみたいだけどキチンとした大人としての自立を親の認知バイアスで許されない人間──何か声に出してみると自分のことを神様みたいに尊大な態度を取る両親もいることを思うと、
心理学者のフロイトが言ったみたいに“長老ウラヌスとしての親殺し”──これが正しく履行されていない家庭は殆ど親というものを諸悪の元凶のような目でしか見れないし捉えられないんじゃないかな? 町内でひっきりなしに救急車やパトカーが移動しているのは子供と一緒に生活していないかそもそも子供自体が免許を持っていないから親の不慮の事故=健康被害に対してアシを持っていない、子供自体が自立していないから家庭環境の不和が絶えないこと社会全体のモラルの低下により警察も治安強化という仕事を増やさざるを得なくなったと言うことだね。
私たち人間全体が匂いや形はないけれど社会全体を形作るミームのようなものに影響されて人生の選択や動物のように後先を考えないメディア文化や育てる頭のない教育環境に支配されたりとか、子供に親としての最低の義務であるはずの家事を任せたり子供として両親の信頼を得られずに飼い殺しの兎小屋のように小さな家庭環境内で放置されて育てられたりとか……楽しいことのありすぎる世界でまるでボードゲームやトランプが社会全体に流行して革命まで起こったフランスの貴族階級社会に近い状態が今の日本や世界全体で治安の悪化し続ける最大の元凶──。
今私たちはスピリチュアルの在家の修行者のように呼吸を整えて社会が提示する娯楽文化や映像芸術から一歩下がってルドルフシュタイナーなどが嫌ったアジア圏に広く行き渡った自分の心の声を聞く気功やチャクラなどのrealで夢を叶える技術♡……こっちの方が必要になってきているのでは? 私たちは自分の叶えたいことや経験したいことを大規模イベントやアミューズメントパーク、スマホゲームや漫画本を読むなどの一定量のお金があれば事足りるし。やっぱり私たちは自分を楽しませている=実人生の充実から逃れて、ただ単に自分の目を楽しませてそれが自分の全てだと錯覚しているんだね。
電磁波による脳内の汚染を訴えるヤバい人とかもいるけどそれって多くの人が実人生における充実の“太陽意識”ではなくて娯楽の時間、社会条件をも忘却させる自立できない“金星意識”の方を沢山の人々が好むようになってきたことへの警鐘でもあったんだろうね。問題が山積しているね。
“商業的な資本への敵意”──か。日本で言うところの逢魔が時のような壊滅的な時代になってからじゃないとそう言うのの悪影響って目で見ることも出来ないし心で感じることも出来ないよね。
アニメやゲームをしていると時間を忘れるけどそれって自分自身が時間を忘れているのではなくて逆にゲームのグラフィックや箱として存在する画面内を見て自分が忘却しているのだから十牛図の主客を滅却した何も描かれない白紙の第八図の感情体験──本当に自分を忘却するほどに楽しんでいるのは外野のユーザーではなくてコンテンツを作っている制作会社側だから私たちが忘却しているのは自分ではなくて画面自体──ハーメルンの笛吹き男のような童話の魔法に私たち社会全体が毒されている。
商業的な資本が完成すると、視聴者やユーザーはその利用者=自立できない金星意識の子供──と言う実人生ではない言ってみればキチガイミノタウロスのような教会側が禁止した“黄金の牡牛崇拝”のような成長しない成人女性のようなものの需要を高めてしまう。
熟年女性による温泉施設のステージで活躍する男性アイドルの推し活……形は違えどこれも笛吹き男の童話モデルと一緒だね♡何か私たちっておむつの取れない成人女性と同程度には精神年齢=認識・認知年齢は下がってきているんだろうね。主体としての自分自身が自分を忘れているのか、客体としての温泉アイドルが自分を忘れているのか……本当に運営側の大人にはものを作る自意識があるのか? 仏教哲学がrealで顕現するくらいには今の世の中は世紀末の末法の世だね☆」
マチコはウフフ♡と微笑み「ケンゴと私は主体でしょうか? それとも文字情報の客体でしょうか──?」と謎の台詞をつぶやいた。
いろいろとお互いの頭の中を突っつき回し深くきわどい会話をしたケンゴとマチコはお互いに、ちょっと疲れたよねと密会の成果に満足感を感じて三時間予約しておいたボックスの利用時間の残りをカラオケなどを歌って過ごすことにした。マチコはケンゴを前にして綺麗に見えることを意識したすました声で歌っていてケンゴにとっては行儀良くて健全な美しいものの象徴のように見えた──ケンゴに順番が回った時には「それ私も知ってる☆一緒に歌おっ♡」と人懐っこい飼い猫のようにマチコは可憐に二人の時間を楽しんだ。
ケンゴはドキドキした。学校にいた頃には味わえなかった開放的で自由な卒業後の爽やかなモラトリアム期間を楽しんだ♡マチコも今まで我慢して学校に通って高卒の資格が取れたことを幸せに思った。二人は義務教育機関の終わりがもたらした柔らかくて明るい幸福な青春を幸せに思った☆
……(続く♡)
時間が思ったよりかかりました(〃∇〃)∠ナガカッタ〜♡
これからはもうちょとハイペースで書いていきたいです☆
では☆♪