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猫の吐息

作者: 鎌瀬 狗

この作品はフィクションです。

カリカリの匂いがもわっと香る吐息にキミの身の安らぎを感じた


びくびくはくーすかと

もぐもぐはガツガツと


未成熟で始まる物語

成熟までぼくと繋ぐは命の綱渡し

ぼくとキミの私小説


爪を研いでみゃーとねだる鳴き声で僕の身が安らぎを感じた


にーにーはにゃわおんと

ガリガリはぽっちゃりと


穏やかに紡がれる物語

キミも一緒にのんべんだらりとおじさん座り

キミと僕の私小説


本をぺらぺらめくって仄かに笑ってもこの身は安らぎを感じない


しくしくはシクシクと

すりすりはひんやりと



白紙で飾る裏表紙

カップ酒両手に命の綱渡り

僕とキミの私小説


僕だけが読む私小説

読んでいただきありがとうございました。

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