006 裏切り、計画
頭が重く、身体も重い。
思い出に浸りながら眠ってしまってた様だった。
早く師匠達に会いたい
その言葉を上手く飲み込めた
自分に厳しく当たれと師匠が言っていたが、自分に不器用になるなよと違う師匠が笑って言っていた、自分に厳しくなるも良いが自分に正直になるのも大切だとも言っていた。
そして獲物を探す為に森へ入り、獲物を捕らえ加工していると空に見覚えのある生物が飛んでいた。
色は黒く大きな翼を広げて鋭い爪で大地へと踏みしめる。目は黄色く縦に瞳孔は割れ獲物をその牙で容赦無く噛み切り、叡智を蓄え潤沢な魔力を秘めた頭脳、黒く身体を覆う鎧の様な鱗に地面を弾いたり、薙ぎ払ったりに使える太く長い尻尾、それは竜種だった。
『三年、三年も待ったぞ弟子よ』
重く響く声は正しく記憶にある師匠の声そのものだった。
「うん、師匠達に会う約束だったから向かってた」
胸は高鳴り、高揚する
もう、寂しくない! 俺の為に師匠が探しに来てくれた!
そう思い近づくと腹部に衝撃が走り、吹き飛ばされた
『あの山の何処へいた! お前を探すのに三年掛かった!』
怒りの咆哮と共に師匠は俺に近づく
「……っ!」
不意打ちで攻撃され立ち上がれず、腹部には鈍痛が響き、視界がチカチカとグラつく。
『他の者達から抜け駆けをし、私の目的の為に探したこの時間をどうしてくれる!』
そう言って師匠は足で俺を掴み羽ばたく
『まぁ、良い これから俺様のモノになるのだからな』
薄れる意識の中でその言葉が聞こえた。
そして目を覚ますと、身体は装飾された拘束具で持って壁をと繋ぎ止められ首には首輪をつけられ、衣服は剥がれていた
そして目の前には起きるを待っていたかの様に緻密な彫刻のされた椅子に座り眺めていた師匠の姿があった。
他の師匠達からはクズだのゴミだのろくでなしだの言われていた師匠が、他の師匠より多くの話しを聞かせてくれたり、優しかったクズ師匠が、薄暗く鉱石により仄かに明るい洞窟の中に俺を拘束し、それを嫌な笑顔をで眺める師匠。
それを見て俺は胸が痛かった、それは木の表皮を無理矢理剥いだ時の様にバリバリと音を立てて痛み、考えが纏まらなくなった。