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暇つぶし

作者: 天理妙我

始まりは必ず小さな火から

大体は囁くいいじゃないまだ

それって誰の口真似ですか

乾いた風が吹き荒れてるが

火事が怖くはありませんか

行動する前から諦めんな

もう慣れっこのボヤ騒ぎなら

いつまで経っても終わらないから

野次馬たちも見過ごした

カリギュラ並みのディストピア


言いたいことは多くない

あの日の記憶も遠くなり

自由と平和を守り抜くための足がかり

凍える身体を温めるために焼き払い

メディアは権力者の広告塔に成り下がり

不偏不党と大見得を切るも立場なし

後始末だけは頼みます

煽りだすあれはアノニマス

いつも後になって悔やむんだよ

そうして世界を恨むんだろ

過不足ない日常に歩調を合わせて

ご大層な標語の社会に飼われて

対岸の火事を見物「助からないでしょ」

必死に気付かない振り明日は我が身でも


そうやって無闇に火を恐れると

いつか防火水槽に溺れるよ

君は普通じゃないと眉を顰める

いつも普通の人が火事を広げる

誰もがみんなに合わせて日和見

思い切って動いてみれば独りに

巷じゃ三日にあげず私刑で

焼夷弾にはバケツリレーで

そんな防空演習を嗤えば

とんだ非国民となる宿命さだめ

大本営発表は間違いばかりなら

手のひら返してアリバイ探しから

敵意と悪意が散らばった

私はそこにはいなかった

証明してよ現場不在を

群衆が酔った幻覚剤よ


神の声が聴こえるアポカリプス

足元からたかまるナショナリズム

姿なき声に踊らされるメサイア

心無い言葉に傷ついた世界は

焼け野原みたいだ手招く悪魔

だけどまだ未来は選べるはずさ


生きたいって言葉で何が滞ると言うの

みんなが黙ってたのはホロコースト you know

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました! やはり天理さんの詩には圧倒されます……。 社会風刺×押韻はもはや職人技で毎回すごすぎますが、言葉の質量×熱量も圧倒的だと感じました。 一行も長く、行数も多く、全て…
[一言] 焼酎を飲みながら、年末にボヤくミョウガさん。 ボヤいて何になるのか、という野次はさておき、ボヤくだけボヤくのが詩人ではなかろうか。暇つぶしのように。これだけは言っておくがな、と、焼酎飲みな…
[一言] 連投失礼します。 ぼくの小説をよく読んでくれているのですね、ありがとうございます。 そうですね、ぼくが書くのは直球ばかりですね。これは単に、変化球を投げられないからなんですよ。もっと器用…
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