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第二十二話

 宇宙暦(SE)四五二二年十月一日標準時間一三三〇


 アルビオン王国キャメロット第九艦隊の首席参謀レオノーラ・リンステッド大佐は、帝国軍が何らかの罠を仕掛けているのではないかと疑っていた。

 情報を確認していたその時、あることに気づき、参謀用コンソールを猛烈な勢いで操作する。

 すぐに目的のものは見つかった。


「これだわ!」と声を上げ、すぐに司令官のアデル・ハース大将に報告する。


「提督! スヴァローグ艦隊はまだミサイルを使い切っていません! 本隊が危険です!」


 艦隊の指揮に集中していたハースはリンステッドの言っている意味が分からず、「どういうことなの?」と短く確認する。


「敵の最初の一連射はステルス機雷から発射されたものです。これを見てください」


 そう言ってメインスクリーンに巧妙に隠されたステルス機雷の発射管を示した。


「艦隊の中にステルス機雷を配置しておいて、ミサイルを発射したように見せたのです。このまま本隊が追撃に入れば、逆襲を受けてしまいます」


 遠方からの可視画像では判別できなかったが、第九艦隊が敵に接近したため、発見できた。もっともリンステッドのように目的を持って確認しなければ、見逃されたはずだ。

 ハースは感心するものの、そのことに言及する時間はなく、即座に対応方針を確認する。


「それは分かったわ。では、どうすればよいのかしら」


「我が艦隊に向けてミサイルを使わせるのです。そのためにはこのままの速度で接近を続け、カロネードを撃ち込むと見せかけてはいかがでしょうか」


「そうね」と答えるものの、


「一個艦隊で済むなら安いものということね。あなたは思っていた以上に豪胆な人だわ」と笑う。


 現在、スヴァローグ艦隊は二千隻が沈められ一万一千隻になっている。また、リングに隠れていたダジボーグ星系防衛隊も半数の千五百隻になっており、それらが第九艦隊に向かおうとしていた。


 そのすべての戦闘艦からミサイルが一斉発射されたとすると、八万基近い数となる。既に第九艦隊は四千隻を割り込んでおり、一隻辺り二十基以上のミサイルを受けることになる。


 そして重要なことは、これだけ接近していると迎撃する時間がほとんどないという点だ。二人は艦隊が全滅することを覚悟しながらも、これ以上の損害を味方に与えないことを優先しようとしていた。


 そこで意識を失っていた参謀長、セオドア・ロックウェル中将が頭を振りながらしわがれた声で話に加わってきた。


「艦長が提案したミサイル防衛戦術を試してみましょう。失敗しても失うものはありません」


 その言葉にハースは笑顔で頷き、即座に命令を発した。


「そうね。あれなら全滅せずに済むかもしれないわ……全艦、加速停止! フォーメーション(デルタ)! 主砲及びカロネードによるミサイル迎撃を行います!」


 第九艦隊は紡錘陣形を極端に細くし、密集隊形を作っていく。


■■■


 帝国軍の総司令官リューリク・カラエフ上級大将は第九艦隊の動きを見て、艦隊特攻を掛けてくると疑った。彼の眼には大型艦を前方に集め、その攻撃力を叩きつけようとしているように見えていた。


「これ以上、艦を失うわけにはいかん。全艦ミサイル攻撃準備!」


 リンステッドが看破した通り、帝国艦隊はもう一連射分ミサイルを残していた。


 カラエフの構想では敵艦隊が追撃して来た際、補助艦艇群に隠してあるステルスミサイルと同時に反撃し、アルビオン艦隊にダメージを与えることで戦意を挫くつもりだった。

 アルビオン艦隊により多くのダメージを与えれば、ロンバルディアから戻ってくるであろうストリボーグ艦隊を恐れ、連合艦隊は撤退する。彼はそう考え、ここまで戦ってきた。


 今回の会戦では異常なほど多くのステルス機雷やステルスミサイルが使用されている。これはヤシマ占領後にアルビオン側とゾンファ側を封鎖するために用意してあったもので、二年という年月を掛けて準備したものだ。

 ミサイルに偏重した帝国軍でもこれほどステルスミサイルを使用した例はなく、円環(リング)内に星系防衛隊を隠すことと合わせ、カラエフの起死回生の策だった。


 カラエフの策は連合艦隊の総司令官であるジークフリード・エルフィンストーン大将の的確な指揮とアルビオン艦隊の練度の高さ、そして第九艦隊の活躍により、当初の目論みほど効果は発揮しなかった。しかし、二倍以上の優勢な敵に対し、互角に戦えていたことを考えると、充分な効果はあったと言えよう。


 もし、リンステッドが看破しなければ、接近を続けているアルビオン本隊にミサイルを集中させ、数千隻単位で損害を与えることができただろう。それにより会戦自体の行方が大きく変わり、カラエフの基本構想通り連合艦隊が撤退する可能性は高かった。


 しかし、ハースが自らの艦隊を犠牲にして本隊を助けようと考えたことから、カラエフの策は修正を余儀なくされた。

 大戦果を放棄しながらも第九艦隊に攻撃を集中するのは、これ以上味方の損害を増やすわけにはいかないためだ。


 その理由だが、軍事衛星があるナグラーダ周辺に再展開するとしても、一定以上の艦が残っていなければナグラーダの防衛は難しい。

 例えアルビオン艦隊に大きなダメージを与えたとしても、制宙権を奪われた状態で巨大な標的である惑星を守ることは不可能だからだ。

 そして有人惑星が甚大な被害を受ければ、元々人口が少ない帝国の国力は一気に低下する。


 連合艦隊側にナグラーダへの直接攻撃を行う意志はなかった。しかし、この時点でカラエフはそのことを知りようがなかったし、また復讐に燃えるロンバルディア軍やヤシマ軍が暴走しないとも限らない。そのため、カラエフとしてはナグラーダ防衛を優先せざるを得なかった。


 カラエフは内心の忸怩たる思いを見せることなく、全艦にミサイルの発射を命じた。


「全艦ミサイル発射! 敵高機動艦隊を殲滅せよ!」


 普段感情を表さない彼にしては珍しく、強い口調で命令を発した。その直後、メインスクリーンにはステルスミサイルを示す細い線が放射状に開く美しい画像が映されていた。それは艦隊を中心として開く白百合のように見えた。


「敵艦隊、レールキャノン発射! 三十秒後に到達します!」


 カラエフはその早すぎるタイミングに違和感を覚えた。アルビオンのレールキャノン、通称カロネードはすれ違いざまに使うことが多く、これほど離れた場所から撃つことはないと認識していたためだ。

 しかし、そのことを深く考える時間はなかった。ミサイルと連携して主砲で止めを刺す必要があったためだ。


「ミサイルの到着に合わせて主砲を撃ち込め! 敵の防御スクリーンはすぐに過負荷になる。一気に蹴散らすのだ!」


 カラエフの戦術は彼の考え通りに進められていた。しかし、彼の頭に引っ掛かるものがあった。それは知らぬうちに罠にはまっていくようなそんな不快感に似ていた。


(何だこの感覚は……まあよい。敵を蹴散らして、そのまま加速すればナグラーダに逃げ込める。これだけステルス機雷を見せておけば、おいそれとは追いかけられんはずだ)


 そして、第九艦隊にミサイルが到達するタイミングとなる。


「主砲を撃ち続けろ! 敵の残骸を越えたら一気に加速する!」


 しかし、次の瞬間、目にした異様な光景に、出かけた言葉が喉で固まってしまう。


「何が……」


 彼の目に映っていたのは八万基のミサイルの半数が第九艦隊の直前で爆発する姿だった。


■■■


 旗艦インヴィンシブル89のCICは緊迫した空気に包まれていた。

 司令部の全員が正面にあるメインスクリーンを見つめ、八万基に及ぶミサイル群に恐怖を感じている。


 そんな中、クリフォードは操舵長(コクスン)に「手動回避停止」と命じ、戦術士のオスカー・ポートマン中佐に冷静な声で命令を伝える。


「AIによる自動迎撃開始」


 その短いひと言にポートマンの了解が遅れる。

 彼もメインスクリーンに意識が向いていたことと、既にAIによる迎撃命令は入力されていたためだ。


戦術士(タコー)、了解がないぞ」


「申し訳ありません、艦長(サー)。AIによる自動迎撃開始します!」


 第九艦隊のすべての艦が一斉に手動回避を止め、更に主砲と副砲、更にカロネードが発射された。そのすべてが艦隊旗艦インヴィンシブルのAIの指示によるものだった。

 主砲や副砲は集束率を極限まで下げており、発射された瞬間宇宙空間に広がっていく。


 メインスクリーンには艦隊を示す紡錘型のアイコンの前面と側面から主砲等のエネルギー束とカロネードの質量弾を示すアイコンが触手のように伸びていく姿が描かれていた。

 それは間断なく開く火花のようだった。


「敵ミサイル第一波九十五パーセント破壊! 第二波八十二パーセント破壊、第三波……」


 今回使われたのは主砲等の高エネルギービームとカロネードから撃ち出された金属弾によって遠距離でミサイルを迎撃し、更にそれを抜けてきたミサイルを対宙レーザーで迎撃するという二段構えの防御方法だった。


 これはAIによる究極のミサイル迎撃法と言えるもので、使用可能な兵器をすべて使い、艦隊の全艦で死角を無くすように計算しつくされていた。

 この方法が可能だったのはステルスミサイルには搭載艇並みの防御能力しかないためだ。


 通常、主砲や副砲などの粒子加速砲は集束率を極限まで高め、射程と威力を上げて使用する。しかし、ミサイル迎撃という目的に限定しているため、集束率を下げても充分にミサイルの破壊は可能であり、逆に攻撃範囲を広げられる分、有利になる。

 また、充分に接近しておりミサイルの軌道が容易に想定できたことも撃墜率の向上に役立っている。


 この迎撃法はクリフォードが砲艦での経験とシャーリア星系での戦闘の教訓から編み出したもので、戦術研究論文として提出されていた。

 その論文をハースが見つけ、更に改良を加えた上で充分な訓練を行っている。


 その成果が如実に表れていた。

 メインスクリーンに幾重にも開く爆発の花が映し出されており、CIC要員は誰もがそれに見入っていた。


「敵の砲撃は続いている! 手動回避開始!」というクリフォードの叱責が飛ぶ。


了解しました、艦長(アイ・アイ・サー)!」という操舵長(コクスン)の慌てた声が響く。


 クリフォードの言う通り、敵の砲撃は続いており、その間にも何隻もの味方艦が沈められている。

 これがこの迎撃法の最大の弱点でもあった。

 砲撃戦においてAIによる自動回避のみに頼ることは敵に予測されやすくなる。そのため、主砲の命中率が一気に上昇するのだ。


 コクスンの声に他のCIC要員も我に返り、自らの仕事に集中していく。


「ミサイル接近! 左舷下方、右舷上方、それぞれ二基!」


 情報士の言葉に戦術士がすぐに反応する。


「対宙レーザー迎撃開始……」


 その直後、激しい衝撃が艦を襲う。

 オレンジ色の非常用照明に切り替わり、更に警報音が鳴り響く。

 その音に負けないように戦術士と機関士が上ずった声で報告する。


「敵重巡航艦主砲直撃! 直撃個所は左舷艦尾!」


対消滅炉(リアクター)系統(トレイン)緊急停止(トリップ)! 通常空間航行機関(NSD)損傷!」


 クリフォードは大きく揺れる艦に動揺することなく、冷静な声で必要な指示を出す。


「リアクターの再起動急げ。NSDの損傷程度を報告せよ」


 機関士の悲痛とも言える声がそれに答えた。


「NSD能力五十パーセント低下(ダウン)! スラスターも一部使用不能! CICからの回復不能!」


 クリフォードは「了解」とだけ答え、すぐにダメージコントロール班に命令を出す。


緊急時対策所(ERC)はNSDの修理を急げ」


 更に唯一の動力源となった質量-熱量変換装置(MEC)の状況を確認させる。


機関制御室(RCR)はMECの残量に注意せよ」


 その間にも味方の艦が次々と沈んでいく。ミサイル迎撃にある程度成功したものの、すり抜けてきたミサイルと敵からの砲撃を受けているためだ。


「すぐに敵艦隊とすれ違います。それまで敵の攻撃を何とか凌ぎなさい!」


 ハースの言う通り、既に敵艦隊との距離はゼロ距離といえるほどで、その分砲撃も激しくなっている。

 インヴィンシブルも何度も直撃を受け、更に周囲の残骸(デブリ)がガンガンと艦体に当たっていた。

 帝国艦隊からの攻撃はさらに激しさを増していく。


■■■


 一方のスヴァローグ艦隊も加速を続けていた。

 側方からアルビオン艦隊本隊が加速し始めているが、時間差をつけて起動するステルス機雷の処理に梃子摺っており、徐々に引き離していく。


 順調に見えるが、第九艦隊に向けて発射したステルスミサイルがほとんど迎撃されたことにカラエフを始め、司令部の者たちは言葉を失った。


「何が起きたのだ……」


 歴戦のカラエフはすぐに我に返り、第九艦隊に攻撃を続行するよう命じた。


「敵高機動艦隊を殲滅せよ! 特に先頭にいる巡航戦艦に砲撃を集中させるのだ! あの艦を沈めれば、敵の士気は一気に下がる……」


 カラエフは最前線にいる巡航戦艦が旗艦であるとは考えていなかったが、歴戦の艦であり敵艦隊の士気を高めている一因であると考えた。そのため、インヴィンシブルに砲撃を集中させることを命じたのだ。


 カラエフの命令は実行された。

 しかし、インヴィンシブルは巡航戦艦とは思えないほど頑強に抵抗し、突き進んでくる。


「なぜ沈まぬ!」というものの、既にすれ違う直前であり、命令を変更した。


「まあよい。敵にダメージを与えるより、脱出を優先する。各艦、防御に集中せよ」


 帝国艦隊は戦艦を後方に回した防御陣形を組み、第九艦隊とすれ違った。


■■■


 インヴィンシブルでは敵の猛攻に曝され、大きな被害を受けていた。


「艦首に戦艦主砲命中!」


「左舷中央、軽巡航艦主砲命中!」


「左舷カロネード全基使用不能!」


「防御スクリーンもちません! 一時的に両系統(トレイン)を同時展開します!」


質量-熱量変換装置(MEC)九十パーセント! あと二回直撃を受けると過負荷で緊急停止します(飛びます)!」


 緊迫した報告にクリフォードは冷静に対処していく。


「兵装関係は無視せよ。主兵装冷却系統(MACCS)は外殻冷却系に接続。外殻で食い止めるのだ……防御スクリーンはあと一分もたせてくれ。機関長(チーフ)対消滅炉(リアクター)の再起動急げ!」


 クリフォードはダメージコントロールを重視していた。特に速度超過の状況であり、一瞬の判断ミスが致命傷となりかねないためだ。


 更に小型艦の主砲が命中するが、「敵艦隊通過!」という運用参謀の声が響く。


 即座にハースが加速と反撃を命じる。


「加速開始! 艦尾迎撃砲(スターンチェイサー)で反撃しなさい!」


 第九艦隊は反転して攻撃することなく、更に距離を取る選択をした。

 その理由は艦隊の損害の大きさだった。

 既に撃沈された艦は千隻を超え、中破以上の被害も五十パーセントを超えている。損傷していない艦はほとんどなく、満身創痍という状況で反撃したくてもできる状況ではなかったのだ。


■■■


 ロンバルディア艦隊は初期の混乱が収まった後、ダジボーグ星系防衛隊に一定程度の損害を与えたところで攻撃の手を緩めていた。

 ロンバルディア軍の中には背中を見せるスヴァローグ艦隊に追撃を掛けるべきという意見もあったが、総司令官のファヴィオ・グリフィーニ大将がそれを押し留めている。


「これほど周到な準備をした帝国軍が罠を仕掛けていないはずがない。我々のこの星系での戦術目的は達したのだ。無用な損害を受け、祖国解放に支障をきたすような真似をしてはならん」


 グリフィーニの懸念は的を射ていた。

 帝国軍の後方にあった補助艦艇群には多くのミサイルが隠されており、ロンバルディア艦隊が追撃に移っていたら一斉に発射されていた。そうなった場合、練度の低いロンバルディア艦隊は大きな被害を受け、その後の軍の再建に支障をきたした可能性が高い。


 グリフィーニはこの戦闘の後、ロンバルディアから戻ってくるストリボーグ艦隊のことも考えていた。ロンバルディアを占領していたストリボーグ艦隊がダジボーグに戻った後、そのままロンバルディア解放に向かうつもりでいたためだ。

 予想ではロンバルディアに戦力は残さないと考えられているが、艦隊が残っている可能性は否定できない。そのため、自国の艦隊の損害を極力減らす方策を採ったのだ。


 しかし、彼の行動はアルビオン軍の一部から非難されることになる。

 総司令官であるエルフィンストーンの指示ではスヴァローグ艦隊の後方を脅かすというものだが、それが不完全だったためだ。


■■■


 こうして後に第一次ダジボーグ星系会戦と呼ばれることになる戦いの幕は下りた。

 アルビオン艦隊の損害は最も激しい戦闘を繰り広げた第九艦隊が戦闘艦四千五百隻中、喪失千二百、中破千五百、小破千五百と壊滅の一歩手前という状況まで追い込まれていた。

 第九艦隊以外でもステルス機雷や星系防衛隊の奇襲により、二千隻以上が沈められており、戦前の楽観的な空気は悲壮感に変わっていた。


 ロンバルディア艦隊は初期の奇襲で千隻を失ったものの、積極的な攻撃を手控えたことから中小破千五百隻程度で、思った以上に損失は少なかった。


 一方の帝国軍はスヴァローグ艦隊一万三千隻中、喪失二千隻、中小破三千隻と大きな損害を受けている。更に悲惨なのはアルビオン艦隊を正面から受け止めたダジボーグ艦隊だ。参加九千隻中、喪失二千五百、中小破五千であった。


 また、奇襲で活躍したダジボーグ星系防衛隊は参加三千隻中、二千隻を喪失、残りも何らかの損傷を受けていた。これは元々小型艦で構成されていたことと、最後までリング内から艦隊を支援していたためだ。


 帝国軍はヤシマ星系でのチェルノボーグJP会戦と合わせ、二万隻近い航宙艦を失った。

 更にダジボーグ星系のエネルギー供給を担うプラントがすべて破壊され、インフラが完全に復旧できるのは早くても二年後と推定されている。

 元々、このプラントはヤシマの技術が使われていたが、当然ヤシマの支援は受けられない。そのため、帝国の技術を使うしかなく、その能力も大きく低下することが見込まれていた。


 善戦した第九艦隊旗艦インヴィンシブル89は通常空間航行機関(NSD)に大きな損傷を受けたものの、最後まで艦隊の先頭に留まり続けた。

 四百名の乗組員のうち、重軽傷者が二十名ほどいたが、戦死者はなかった。

 また、重巡航艦二隻、軽巡航艦一隻、高機動ミサイル艦一隻を撃沈し、戦艦一隻を僚艦と共に沈めている。旗艦がこれほどの戦果を挙げたことに賞賛の声が上がっていた。

明日の更新が厳しい状況です。

一応、最終話まで書けているのですが、エンディングとして気に入らず、書き直す可能性が高いためです。

明日の投稿を見送った場合でも、遅くとも今週末には再開すると思いますので、ご容赦ください<(_ _)>

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本シリーズの合本版です。
(仮)アルビオン王国宙軍士官物語~クリフエッジと呼ばれた男~(クリフエッジシリーズ合本版)
内容に大きな差はありませんが、読みやすくなっています。また、第六部以降はこちらに投稿予定です。
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