外伝1 捨てる神あれば拾う大男あり
外伝です。殴った後のケビンの心情を書いてみました。これからも外伝はちょくちょく書くつもりです。
(やってしまった。)
2mはあろうかという大男は先ほど自分がしてしまった事を悔やんでいた。今、彼の目の前には変な服装を着た青年が倒れている。容姿は幼く見えるが、首元や生えかかっている髭などを考慮して年齢は20代前半だろう。黒の短髪、背は170あるかないかくらい、今は気絶して目を閉じているが起きていた時は二重瞼が特徴的な目だった。
ここまでのいきさつは一仕事終え仲間と一緒に帰っていた所、ついでに途中にある森で薬草を取っておこうという事になり森でばらばらに薬草を採取していた。そんな中悲鳴が聞こえ、声がする方へ向かったらホワイトバックに襲われている青年に遭遇。無事ホワイトバックを倒し青年を救ったまではよかったのだが、言葉が通じない事がわかりどうしようかと悩んでいた。そこに仲間達が合流してきた。仲間達と話している最中青年が怖がって逃げるのではないかと思い、つい殴ってしまった。
「ちょっと、何をしてるのよケビン。」
仲間の1人魔導士のミャオに怒られてしまった。
「おいおい、めんどくさいからって殴ることは無いだろう。」
同じくパーティーメンバーのルイスにも叱られた。
「おい青年、大丈夫か?…だめだ完全に気を失っている。」
女剣士のリシンは青年の頬をペシぺシと叩いて起こそうとしていたが青年はぐったりしたままだ。
「仕方ないだろう。逃げられると彼の身が危ない。この森は魔物がうじゃうじゃいるからな。」
私は悔し紛れに言い訳をしてみる。
「なんで、こうケビンはがさつなのかしら。」
呆れ顔のミャオがため息を吐く。
「それで、どうする?」
リシンが私の代わりに皆に意見を仰ぐ。普段こういうことはパーティーリーダーである自分がやる事なのだが、リシンに取られてしまった。気を取り直して発言してみる。
「まあ、言葉が通じないのならリシンが言った通り東大陸の者かもしれない。とりあえず、保護しようと思うのだがどうだろう?」
「いいんじゃねえか。このまま放って置くわけにもいけねえしな。」
ルイスが軽い感じで同意した。
リシンとミャオも頷いてくれた。仲間たちが青年を保護することを快諾してくれてうれしく思う。やはり自分はいい仲間を持った。
「よし、ではホームに帰ろう。」
ケビンは倒れている青年を肩に担ぎ。そのまま森の出口に歩いていく。
しかし、この拾い物がこれから彼らと大勢の人々をも巻き込み様々な事件に関わる事を彼らはまだ知らない。
執筆遅れていますが、続いてます。