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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
下級冒険者編
73/385

第五十六話 「だけど、サポーターか。雇うにしても金かかるし、俺達みたいな新米についてくれる物好きもいないだろうな。」

何事もお金は必要になる。

12月5日 15:00

道具屋 マリナス商店

 装備屋 アナグラを後にした俺達は次にマリナス商店を訪れた。

カランカラン

「いらっしゃいませ。」

 店に入るとすぐさま恰幅のいい男性が店奥から出て来た。

「あ!マリナスさんお久しぶりです。」

 出て来たスーツ姿の男性はマリナス商店のオーナー、マリナス・カリエッジさんだった。

「あら。これはタナカ様ではありませんか。お久しゅうございます。」

 以前来た時は確か店番の人しかいなかったんだよな。

「そしてこちらは?」

 マリナスさんは俺の隣にいるジャックに目を移す。

「冒険者仲間のジャックです。」

 俺はジャックを紹介する。

「初めましてっす。」

「こちらこそ初めまして。マリナス商会のマリナス・カリエッジです。今後ともよろしくお願いします。」

 マリナスさんとジャックが握手する。

 マリナスさんはこの店以外にもいろいろと事業を起こしている。それら全ての総称がマリナス商会らしい。

(確かこの店も正しくはマリナス商店ブィンド支部だったっけ。本店はシャルル王国の王都にあるって聞いたな。)

「それで今日は何かお探しですか。」

「あー。今日は野宿用のもろもろを買いに来ました。」

 ここに来たのは野宿用のテントや寝袋などを買うためだ。

「なるほど、なるほど。でしたらこちらになります。」

 マリナスさんが案内する。


12月5日 16:00

「ふう。」

 1時間後俺達はマリナス商店を出て、中央広場にあるベンチで一息ついていた。

「ふう。まさかあんなにいろいろ必要になるとは思わなかったす。」

「まあな。少し省いてもなかなかの量だったな。」

 マリナスさんは懇切丁寧に1品ずつ説明してくれた。俺達の予算がそこまで無い事を気遣ってくれて、最低限度の物を紹介してくれた。それでも、俺達には手が届かなかった。あんなに優しく説明させたままでは帰れなかったからベーテの森に出るであろう魔物が載っている魔物図鑑Ⅰを買った。

「考えが甘かったな。」

 俺がポツリと呟いた。

「そうっす。又考え直さないと。」

 俺は買った魔物図鑑Ⅰをパラパラと読みながら、何が必要か考える。

「とりあえず。新しいカバンだな。」

「そうっす。マジックバックは必須す。」

 俺達が抱える問題は値段だけではなかった。荷物の量も問題だ。野宿に必要な用品は1人分でも結構な量になる。今のリュックでは入りきらない。ジャックが言った通りマジックバックは今後絶対に必要になる。しかし、1つでも高額なのに、2つ必要になると今の俺達ではどうしようもない。

「まあ。だからサポーターっているんすよね。」

 いろいろ考えた後にジャックが言った。

 サポーターとは簡単に言えば荷物運び屋だ。冒険者ではあるが戦闘行為はせず、サポートだけをする。主な役割は荷物運びと素材回収だ。戦闘冒険者の後につき、戦闘終了後の解体とその素材を回収する。サポーターは雇うことも出来る。ギルドに行けば紹介してくれるだろう。

「だけど、サポーターか。雇うにしても金かかるし、俺達みたいな新米についてくれる物好きもいないだろうな。」

 

 今日は1晩考えてまた明日話し合う事になり、ジャックとはここで解散した。 

戦闘シーンはもう少し後になりそうです。

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