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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ジャック・ビーンとコンビ編
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第五十三話 「そうっす。Fランクからは森の入り口付近ではなく、もっと深部にいる魔物が討伐対象になってるっす。」

やっとランクが上がった。

12月5日 13:15

冒険者ギルド総括会 ブィンド支部

「はい。確かにシャルルジカの角5本受け取りました。これが報酬になります。」

 素材回収カウンターの担当者からクエストの報酬を受け取った。肉と皮は何かに使えるかもしれないので残す事にした。ちなみに報酬は銀貨3枚だった。

「タナカ様はこのクエストでポイントが十分溜まりましたので、Gランクに昇格出来ますが、いかがいたしますか。」

「え、本当ですか。」

 近々ポイントが溜まる事は分かってはいたが、いざ昇格出来ると知ると戸惑ってしまう。

「良かったじゃないすか、ヒロシ。」

 隣のジャックが俺より早く喜んでくれている。

「ああ。」

「昇格します。」

 俺は担当者の女性に答えた。

「かしこまりました。では、冒険者カードに新しく入力いたしますので、カードを少しの間預からせてもらいます。この番号札でお待ちください。」

 冒険者カードを担当者に渡し、ベンチで少し待つ。


「55番の番号札をお持ちの方。」

 暫くすると素材回収センターとは違うカウンターから自分の番号が呼ばれた。

 行ってみると冒険者カード課と書かれていた。

(なるほど冒険者カード関連はこっちの係なんだな。)

「ランク昇格おめでとうございます。こちら更新済みの冒険者カードです。」

 受付の方から冒険者カードを受け取る。カードのランクの欄がHからGに変わっていた。

「ありがとうございます。」


「どうしたんすか?ここはもう少し喜ぶところじゃないすか。」

 ギルドを出てもあまり喜ばない俺をジャックが心配して話しかけてくる。

「うん。嬉しいんだけどさ。HランクとGランクってあんまり変わらないなと思って。」

 ランクが上がった事には正直嬉しい。だが、変わったのはランクの欄だけと思ってしまった。

「まあ。それは同じ下級冒険者すから。当然すけど。あ、でもこれでFランクのクエストもできると思えばいいんじゃないすか。」

「ああ。そうだな。」

 クエストの選択肢が増えるのは確かに大きい。少しだが報酬も増える。

「という事で今日はマザーステイストでお祝い兼打ち上げするっす。」

 ジャックが意気揚々とマザーステイストの方へ向かう。

「何がという事でだ。いつもの場所じゃねえか。まあ、異論はねえけどな。」

 俺は突っ込みを入れつつ、ジャックの後を追った。


12月5日 13:40

マザーステイスト

『カンパーイ。』

 俺達はマザーステイストでお祝い兼打ち上げと言う名の飲み会を開いていた。

「いやー。ヒロシ、ランク昇格おめでとうっす。」

 ジャックは今日取ったシャルルジカのモモ肉を頬張りながら言った。

「ありがとう。これでFランクのクエストも出来るんだよな。」

「そうっす。Fランクからは森の入り口付近ではなく、もっと深部にいる魔物が討伐対象になってるっす。」

 ベーテの森は大きく3つの区画で分けられている。1つ目は最も外周で危険な魔物も少ない入り口付近。俺達は大抵ここでクエストをしている。2つ目は少し中に入った中部。ここにもたまに行くが大型昆虫やブラックウルフが生息している。そして3つ目が1番危険な区画で凶暴な魔物が多数生息している最深部。俺がこの世界に最初に送られた場所でもある。もちろん、奥に行けば行くほど貴重な素材が見つかる。

(今の装備じゃ、最深部には行けないけど。) 

突然ですけど使っているカッコについて説明します。

『』は2人以上の人が一斉に話している時に使っているカッコです。

一般に使うのは「」です。

()は心の中で思ってたり、考えてる事です。

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