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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ジャック・ビーンとコンビ編
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第四十九話 「はい。」2

後日談パート1。

11月5日 7:00

「う、ううーん。」

 俺は見覚えがない部屋で目を覚ます。周りの壁は白く塗装されている石壁。

(ここは何処だ?俺は確か…)

 最後の記憶はチンピラ達の顔だ。もう1度部屋を見渡す。チンピラ達の姿はどこにもない。ボロボロだった体も治っている。両手両足が折れていたはずなのに、ちゃんと動く、痛みもほとんどない。俺は知らない部屋のベットの上で目を覚ました。

(どういう事だ。)

ガチャ

 部屋のドアが開いた。警戒するが、部屋に入ってきたのは知っている人だった。

「あら、目が覚めたのね、ヒロシ君。」

 エイラさんが少し小さいサイズの土鍋をおぼんに乗せて、部屋に入ってきた。

「エイラさん、ここは?ゴホゴホ。」

 今気づいたが喉がカラカラだ。

「はい。お水。体は大丈夫?どこか痛いところはない?」

 エイラさんがテーブルの上に置かれたコップを手渡す。

「あ、はい。大丈夫みたいです。」

 俺は足を動かしたり、腕を振って見せる。

「そう、良かった。おなか減ったでしょう。もうすぐ目を覚ますんじゃないかと思って、おかゆを作ってきたわ。」

 エイラさんが土鍋の蓋を開けて、おぼんごと俺に手渡す。

「ありがとうございます。」

 俺はそれを受け取りスプーンを手に取り、おかゆを食べる。

「あのここは?」

 おかゆを食べながら、部屋の事を聞く。

「あれ、案内しなかったっけ。ここは医務室よ。ファミリアの1階にある。」

 エイラさんが答える。

(そういや、最初の頃に案内された時に連れてきてもらったかも、でもあの時はまだ言葉を学んで間もなかったから、この部屋がどんな部屋かまでは分からなかったな。)

 俺は気を失った後に何があったか気になり始めた。

「ふふ。」

 エイラさんが俺の顔を見て笑う。

「どうしたんですか?」

「いえ、ただヒロシ君が少しおかしな顔をしながらおかゆを食べてるから。気になってるんでしょ、あの後何があったか。」

(俺ってそんなに表情に出るかな。)

「はい。教えてくれますか?俺が気を失った後何が起きたのか。」

 エイラさんは説明してくれた。ジャックに事情を聴いて、現場に向かった事や近くのごみ捨て場でボロボロ姿の俺を見つけた事。その後、ラウラさん達がチンピラ達の所へ敵討ちに行った事。

「そんな事があったんですね。」

(ラウラさん達に迷惑かけちゃったな。)

「迷惑かけてすみません。」

 俺はエイラさんに謝った。もちろん、後でラウラさん達にも謝罪しようと思っている。

「違うわ。」

 エイラさんは首を振る。

「え!」

「謝ってほしくて助けたんじゃない。これは、ラウラ達も同じ気持ちだと思う。」

「迷惑かけて何が悪いの?私達は同じファミリアのメンバー。仲間が困っているなら助ける!まあ、実際に戦ったのはラウラ達なんだけどね。」

 エイラさんが力強く言う。

「エイラさん。…ありがとうございます。」

 ラウラさんの言葉に涙が自然に流れる。

「その1言でいいのよ。これからは何か困ったことがあったら1人で背負わずに相談してね。」

 エイラさんはハンカチを手渡す。

「はい。」 

地味に第二章続いてます。

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