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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ジャック・ビーンとコンビ編
52/386

外伝8 悪童寄れば文殊の知恵

割り込みで外伝入れさせてもらいます。

 路地裏でのカツアゲが失敗に終わったチンピラ3人組はブィンドの路地にある飲み屋“ならず者”のカウンターで飲んでいた。

ドン

「あーくそ、あいつマジでむかつくな。」

 チンピラA(リーゼント)ことタイゾウが酒が入っているガラス瓶を乱暴にテーブルに置いた。タイゾウが脳裏に浮かべているのはカツアゲの途中で邪魔してきた新米冒険者の顔だ。

「あー。あと少しでジャックの腰抜けから有り金全部捕れたのにな。」

 チンピラC(モヒカン)ことケンがうなずく。

「だが、ジャックとあいつが知り合いだとこれからジャックに絡みづらくなるな。」

 チンピラB(角刈り)ことジュンが無料のつまみの野菜スティックをポリポリかじりながら言った。

「くそ、あいつ名前なんだっけ。」

 タイゾウが邪魔した新米冒険者の名前を思い出そうとする。

「確か、ヒロシってジャックの野郎が言ってなかったっけ。マスターおかわり。」

 ジュンが酒を飲み干しグラスをテーブルに置いた。強面のマスターが同じ酒をグラスに注ぎに来る。

「はー。あいつがサンダーバードの1員じゃなかったら。くそ。」

 ケンが大きなため息を吐く。

バタン

 飲み屋ならず者の西部劇風のドア、スイングドアを開けていかにも戦士風の大男が入って来る。両腕にはタトゥーが入ってて、背中にはバトルアックスを背負っている。体格、髑髏マークの服装と頭がスキンヘッドも相まって決して善人には見えない風格が出ている。

「ア、アニキ。」

 タイゾウがちらりとドアの方へ向くとそこには自分達がアニキと呼んで慕っている先輩冒険者がいた。

「なんだ、なんだ。おめえら情けねえ顔して。マスターとりあえずビア。」

 戦士風大男はカウンター席に近づき、タイゾウの横に座る。

 ちなみにビアはセロでよく飲まれるアルコール飲料で味はビールと似ている。

「実は最近くそ生意気な奴がいまして…」

 タイゾウはヒロシの事を話した。

「ほー。何だお前らそんな面白い事があったのか。」

 大男はビアをごくごく飲みながらタイゾウの話を笑いながら聞いている。

「アニキ、面白くないですよ。最近カツアゲ連続で失敗してるんですから。」

「がはは、んじゃあそいつら狩るか。大体、俺様は他人の力を自分たちの実力だと思っている勘違い野郎が大嫌いなんだよ。」

「いやでも、ヒロシって奴サンダーバードのメンバーですよ。流石に上級冒険者がいるファミリアに喧嘩売るわけには。」

 ジュンが反対する。

「大丈夫だよ。ケビン達ライオンハートは今ブィンドに居ねえ。」

 大男はビアを飲み干し、テーブルに置く。バーのマスターがすぐさま注ぎに来た。

「そうなんですか?」

 ケンが言った。

「ああ、またクエストに出かけたらしい。ライオンハートが居ねえサンダーバードにビビる必要はねえ。」

 大男は大したことのないように手を振った。

「でも、確かサンダーバードにはもう1つパーティーがいたような。」

 ジュンが追加情報を上げる。

「ああ、あれは2年もパーティー活動してない中途半端な中級冒険者の集まりだ。このザックス様の敵じゃねえよ。」

 ザックスは鼻で笑った。

「じゃあ!」

 タイゾウが期待を込めた目でアニキを見る。

「ああ、狩るなら今だ。」

 大男の目がギラつく。

「久しぶりの狩りだ。人数集めて盛大にやろうぜ。」


 ジャックとヒロシの知らないところでチンピラ達が狩りの準備のため動き始める。

この外伝がないとちょっとこの後の展開意味不明になるので書きました。

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