第二十九話 「フン。」
説明長くてすみません。新たな登場人物が次回にでるかも。
「ステータス。」
早めに風呂に入り自室に戻った俺は日課のステータスチェックをしていた。
(流石に2日連続ではレベルは上がらないか。)
20本も採取したからもしかししたらとも思ったが。経験値は新しく学んだものや行動をした方が多いらしい。
(それはそうか。同じ経験値だったら同じ動作をしてればいいんだから。RPGだと強敵ほど貰える経験値が多いけど、あれはそれだけの戦闘経験を積んでいるって事なんだろうな。)
今夜は新しいアビリティを習得しようと思う。覚えるアビリティはもうすでに決めている。
俺はステータス画面でレベルポイントを押した。
(この作業もなんか慣れたな。)
この前と同じように覚えられるアビリティ一覧が出てくる。俺はその中から目当てのアビリティを探す。習得したのは武器アビリティの1つ、短刀だ。これは武器をダガーに決めた時に習得しようと思っていた。これから外に出る事も多くなる。当然魔物と遭遇する事もあるだろう。一応奇襲防止に索敵アビリティがあるがそれも完全ではない。相手が気配遮断系のアビリティもしくはスキルを持っているとも限らない。そういう時、自身を守るすべを持ってる方がいい。俺の場合は脚力アビリティで逃げるか、ダガーで戦うかのどちらかだ。殺傷能力が低そうな木刀アビリティだけじゃ心もとない。
戦闘は突然来るものだとケビンさん達が言っていた。それに、今日はチンピラ達にも絡まれてるし。
(あいつら又絡んでくるかもしれないな。今日はサンダーバードの紋章を怖がって去ってたけど。)
「フン。」
俺は自室で短刀を構え少し振ってみる。
(動きのキレとかはよくわからないな。やっぱり実戦じゃなきゃダメかな。)
俺はリュックから冒険者ノートを取り出しベットに突っ伏し、手帳くらいのノートを読む。冒険者ノートには注意事項や初心者向けのアドバイス、冒険者のルールなどが書かれていた。そこまで厚くはないが一晩じゃ読み終わらない。
(暇な時間があったら少しずつ読んでいこう。)
注意、禁止事項の点には常識的な事から細かい点まで書かれていた。例えば“冒険者同士の争い禁止”と書かれていた文の下に小さく“ただし、正当防衛が成り立つ場合はその限りではない”と付け足されていた。後はクエスト時は“依頼者の利益を第一”やパーティーを組むのは同ランクかその1つ上から下までなどパーティーについての説明なども書かれていた。パーティーを組むには近いランク同士でなくてはならない、これは初心者を上級冒険者で引き上げるのを止めるためだ。昔、大人数の新米冒険者をギルドに誘い上級冒険者達でランクを引き上げギルドの評判を上げようとしたギルドマスターがいたらしい。目的は5大ギルドに入る為だったとか。それをまねするギルドも出て、その結果ランクは高いが実力は低い冒険者が多数出てしまった。それで、冒険者ギルド総括会がパーティーは近いランク同士と決めたらしい。
(このルールで俺はケビンさん達のライオンハートもラウラさん達のブレーメンバンドも入る事が出来ない。いつでもアドバイスは貰えるから別にいいけど。)
(それに、パーティーを作るなら自分で作ってみたいし。)
ノートにはランクの上げ方なども書かれていた。ランクを上げるには冒険者ギルド総括会に貢献するかクエストをこつこつとこなせばいいらしい。クエストをこなせばポイントが付き、一定に達せばランクが上がる。詳細は受付に聞けば教えてくれるらしい。
冒険者ノートにはチナエ草の群生地も書かれていた。ベーテの森の入り口付近の群生地も書かれていた。少し奥に他の群生地も書かれている。
(明日はそっちに行ってみるか。)
俺はランプの明かりを消し寝る。
パーティーネームはもう思いついてます。ださいけど。