第二十六話 「ステータス。お!レベルが1つ上がってる。」
早くもレベルが上がる。
夕方のギルドは思ったよりすいていた。俺は素材回収カウンターに向かう。誰も並んでないのでそのまま職員に話した。
「あの。薬草採取クエストの素材、チナエ草持ってきました。」
俺はクエストの依頼書とチナエ草5本をカウンターの上に置いた。
「はい。確かに。鑑定と報酬を用意いたしますので少々お待ちください。」
素材回収カウンターの職員は依頼書とチナエ草を持ってそのまま奥にさがって行く。
数分後、職員が戻ってきた。
「はい。クエスト達成確認いたしました。鑑定によりチナエ草5本全て品質は並という事ですので報酬は鉄貨5枚となります。」
職員は鉄貨5枚を渡してきた。採取クエストは対象の品質が高いと報酬が少し上がる事があるらしい。
(初めてだしこんなもんか。品質上げるには採取用のボックスとか用意する必要があるし。)
「ありがとうございます。」
俺は報酬を受け取りギルドを出た。少しあっさりしていると感じたが冒険者の仕事はこんなもんなのかもしれない。
ギルドを出て俺はそのままファミリアに帰った。
ガチャ
「今帰りました。」
「お!ヒロシ君が帰って来たーぞ。」
キッチンの方からエースさんの声がした。
(なんかキッチンの方が騒がしいな。)
俺はそのままキッチンの方へ向かう。
「ヒロシ君お疲れ様。晩御飯は食べた?あらその装備似合っているわね。」
キッチンにはサンダーバードの全員がいた。ディナーテーブルの上にはごちそうが置かれている。
「ありがとうございます。晩御飯はまだです。あのこれは一体…。」
「ほら、早く席に座りなさい。」
俺が聞く前にラウラさんが俺の腕を引っ張り席に座らせる。リュックは椅子の隣に置いた。
「わわわ。」
席に座ると同時に果実ジュースが入ったグラスを渡される。
「それでは、ヒロシ君の冒険者就任とファミリアサンダーバード新メンバーに乾杯!」
エイラさんが乾杯の挨拶をした。
「乾杯!」
皆それぞれのグラスを持って乾杯した。俺もあわてて乾杯に参加する。
それからは昨日と同じく宴会が始まった。まさか、2日連続宴会をするとは。でも、今日は素直に喜ぼうと思う。真夜中まで皆と話して飲んで食って、騒いだ。
(まあ、飲むと言っても俺は果実ジュースだけど。)
騒ぎ疲れ深夜に自室に戻った時にはふらふらだった。ベットにダイブしてそのまま寝てしまった。
チュンチュン
「うーん。」
朝日と小鳥型の魔物の鳴き声で俺は起きた。
「はー。」
あくびしながら伸びをする。
「いたた。」
全身が少し痛い。これは、防具を着たままで寝てしまったからだろう。遅いが防具を脱ぎ外着のチュニックに着替えた。やっぱり着心地はこっちのほうがいい。
(昨日は疲れたけど楽しかったな。皆歓迎してくれた。)
俺はベットの横に置いてあるリュックの中から買った魔法石を取り出した。そして、ランプから古い魔法石を取り出し新しい物と差し替える。ボタンを押してランプがちゃんと点くのを確認して机の上に置いた。
「ステータス。お!レベルが1つ上がってる。」
それから、ステータスを出し確認する。
結構短期間でレベルが1つ上がている。これは成長アビリティによるものなのだろうか。
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