第二百四十四話 「よし、3日間ウエストエンドに留まりその後は目的地まで向かうからここでしっかりと休もう」
今月第四話。
5月20日 13:00
シャルル王国 ブレーメン地方 ウエストエンド
俺達はブィンドからシャルル王国西部ブレーメン地方にある町ウエストエンドにたどり着いた。ブィンドから馬車を乗り継いで来ることも出来たが俺達はあえて徒歩を選んだ。理由はドロシーの戦闘と野宿経験を増やすため。
たんに徒歩の方が冒険らしいからでもある。この世界ではほとんどの町や村には馬車が通っている。でも、すぐにたどり着いては冒険感がない。
「よし、ここが最後の補給地になるだろう。皆道中で使ったアイテムの補充はここで済ませとけよ」
『は~い』
本当はこの先にもいくつか村があるがそこはリザードマンの集落に近い。元々の住人ならともかく今ピリついている場所に外地から来た人は歓迎されないだろう。
下手したら新たな火種になりかねない。故に俺達はここから直接目的地の沼地に向かうことにした。
「はあ~久しぶりのベッドだわ~」
宿屋の部屋に入るなりドロシーはベッドに飛び込んだ。気持ちは分からなくはない野宿に慣れている俺とジャックも長旅の疲れが出ている。
「よし、3日間ウエストエンドに留まりその後は目的地まで向かうからここでしっかりと休もう」
同じことを考えている冒険者が多いのかウエストエンドではかなりの同業者に出会った。
ちなみにウエストエンドは数十年前までシャルル王国の最西部の町だったらしい。しかし、リザードマンとの友好条約が出来た際にリザードマンの集落があった地域もシャルル王国に合併された。今はシャルル王国西部のブレーメン地方の一部で特別区域だ。
歴史上ではズーク王国とシャルル王国の間に挟まったリザードマンの領域を争ってかなりの血が流れたらしい。数十年前にやっとリザードマンの長がシャルル王国国王と条約を結びシャルル王国とリザードマンの領地を併合した。
一見シャルル王国がリザードマンの領地を奪ったみたいに映るがリザードマンの住処は特別区域として自治権が残っておりリザードマンはシャルル王国の国民ではあるが同時にリザードマンの領地では特別区域の民として以前と変わらない生活を送っている。
これには現在のシャルル王国国王の働きが大きいらしい。ヒューマンのみではなく他種族でも優秀なら政府の役職に就けるようにするなど多種族でも住みやすい国に進めようとしている。
今月はノルマ達成した時間が早い!