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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
中級冒険者編
294/386

第二百四十一話 「毒消しは多めに用意しとくように」

今月第二話。

「お~、これ見ろよこれ。良くないか」

 ギルドに行く途中俺達は大通りにある露店を通りがかった。

「プ、何よそれ」

「それは防塵ゴーグルだ。アルファイラ王国など砂漠地域では必須品だぞ」

 露天商のおっちゃんが説明してくれた。

 確かにゴーグルのレンズ部分は厚く、砂塵から守ってくれる作りになっている。

「おっちゃんこれいくら?」

「お!銀貨5枚だ。まいどあり」

 俺は銀貨5枚を手渡し、防塵ゴーグルを買った。

「まったく、またガラクタを買って~」

「いいじゃねぇか。いずれ使うかもしれねぇし」


冒険者ギルド総括会 ブィンド支部 クエストボード前

「さて、ズーク王国向けのクエストは…」

「あまりないっすね」

 ジャックの故郷はズーク王国の南方にある町ゴールドランだ。できればズーク王国国内のものを探したかったが無さそうだ。

「これとかは?ズーク国内ではないけど道中にあるわよ」

 ドロシーが見つけたのはシャルル王国西部にある沼地でのポイズントカゲ討伐だ。

 ポイズントカゲは名前の通り毒を持つ爬虫類魔物だ。クエストランクはD、毒の対策が必須のクエストだ。

(毒消しの準備を怠らなければ問題ないだろう)

「よし、これにしよう。あれ?」

「ほうほう、次はシャルル王国の西部の沼地か。面白いクエストを選ぶな」

 いつの間にか手にしていた依頼書は消え、後ろから支部長の声がした。

「シモン支部長!」

「こんにちは諸君!下に降りてきたら今話題のパーティーがいたからな」

 支部長は取った依頼書を返しながら挨拶をした。

「それにしても西部か…」

「何かまずいんですか?」

「いや、シャルル王国の西部の沼地地帯にはリザードマンの集落が多数存在していてな。最近何者かが集落を襲ったという報告が上がっている」

 リザードマンは沼地など湿地帯を好んで生活する爬虫類型の亜人種だ。

以前にも言ったがシャルル王国はヒューマンの国では珍しく多種族国家だ。多数の亜人種を町でも見かける。

シモン支部長の話ではシャルル王国はリザードマンの集落とも長年友好関係を築いていた。しかし、ここ最近の襲撃事件でリザードマンの集落とシャルル王国の間で少し不穏な空気があるらしく、沼地でのクエストのみなら問題は起こらないだろうがあまり集落の方には近づかない方がいいらしい。

「要はいつも通り慎重に動けってことね」

「そうだな。空気や雰囲気がどうのは実際に感じて見ないと分からないし」

 それでも現地の状況を事前に知っておけたのは大きい。沼地では集落にお邪魔せず野宿で済ませよう。

「それじゃあ、とりあえずこれ受けてくるっす」

「ああ、頼む。パーティーで受けるって受付に伝えてくれ」

 あとは適当に各自この5日間用にソロのクエストを見つけた。

「毒消しは多めに用意しとくように」

 帰り際ジャックとドロシーに毒消しについて念を押して別れた。

今年最終日に投稿。

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