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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
中級冒険者編
282/386

外伝47 中級冒険者の意地

今月第三話。


 パーティーモンストロはシャルル王国第二都市ブィンド周辺を主戦場にする中級冒険者パーティーだ。

 メンバーはリーダーのジェイ・ファウルフェロウ、攻撃手(アタッカー)ギデオン・アルチューと魔導士のランプウィック・プレジャーの三名。

 派手さはないが堅実にクエストをこなす良くも悪くもどこにでもいる中級冒険パーティーだ。

「ギデオンは〝集中″してろ。時間は稼いでやる。ランプは魔法でフォローを頼む」

「何が起こっているのかいまいちわからないが了解」

 ギデオンは敵の前で槍を構えながら堂々と瞳を閉じた。

「う、うん。強化魔法ディフェンス」

ガン

「グ、んの野郎」

 ジェイは骨槍戦士(ボーンウォリアー)の槍を西洋剣で受け止めた。

(相手はどう考えてもDランク以上の強さがある。それでも、こいつをどうにかしないと俺達は死ぬ)

 それに武器の相性も良くない、剣と槍では技量の差がかなりないといずれ追い込まれる。

 でも、ついこの前Eランクに上がった奴に指図されて、ここで倒されて恥を上塗りするのはごめんだ。

「もっとだランプ」

「うん、強化魔法スピードアップ」

 ランプウィック・プレジャーの魔力は魔導士の中で良くて中の中といったところだ。しかし、冒険者の中では珍しく魔導学園を卒業した魔導士だ。学園で習得した破壊魔法と強化魔法で後方からパーティーを支援してくれている。内向的で人見知りの点があるがランプウィックはパーティーの縁の下の力持ちの役割を果たしている。

ガンカンキン

「ハア、ハア」

 ジェイはうまく骨槍戦士(ボーンウォリアー)の連撃を凌いでいるが徐々に追い込まれる。

(ランプのフォローが無かったら今の連撃で終わっていた。だが、そろそろか)

ドン

 横の戦場では戦闘狂の巨大な腕に骨剣戦士(ボーンウォリアー)が殴り飛ばされ、その横では格好つけ忍者が放った光の閃光が飛び交っている。

(全く派手に戦いやがる)

「フゥ」

 後ろからギデオンの呼吸音が聞こえた。この深呼吸が聞こえたらもう入った合図だ。

「後は頼んだぞギデオン」

「おう」

 いつものチャラけさはなく、ギデオンの低い声で短い応答が返ってきた。

タン、ズドン

 一回目で骨槍戦士(ボーンウォリアー)の槍を払いのけ、その後の一槍で確実に敵の核を砕いた。

(相変わらず〝集中″している時はすごいな)

 ギデオン・アルチューは短槍と長槍の二本の槍を扱う槍使いだ。いつもは戦況によって使い分ける。

 今回は相手が長槍を持っていたのでそれに合わせて長槍を使ったのだろう。

 そしてギデオンにはもう一つ特技がある。詳細は分からないが〝集中″することで短時間だが戦闘能力を高めることが出来るらしい。

 ギデオン自身が言うには目を閉じ、呼吸を整えるとともにアビリティ集中を併用することでさらに深い集中状態に入ることが出来るとのこと。

 初めて聞いた時はよくわからない拗らせ方をしたのかと心配したが実際、戦闘中に目の当たりにすると短時間ではあるが確かに身体能力が上がっていた。

 いつもの楽観的な奴と比べるとまるで別人だ。

(もしかしたら本当に別人格なのかもしれないな)

「次は…僧侶だな」

パーティーモンストロVS骨槍戦士

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