外伝46 戦況
今月第四話。
リタ・ビーグルVSジェイ・ファウルフェロウ
相手の前衛二人をヴァンレンスと俺が止めている時点で大方の戦局は決まった。残りは魔導士とサポーターの二人。後衛職の魔導士はともかくサポーターは元々戦力に数えていない。
ガンカンキン
「オラオラ、リタそろそろきついんじゃないのか。なあ!」
それにしてもあのサポーターもよく耐えている。独学であろう護身術、小刀でよく剣士であるジェイの剣を捌いている。
「ハアハア」
それも長くは続かないだろう。じき限界は見え始めていた。
問題は唯一こちらが劣勢になっている魔導士戦か。
ドロシー・セビュロスVSランプウィック・プレジャー
なんなんだよこの子。こんなのEランクレベルじゃないぞ。いったいどれだけ魔素量があるんだ。
最初は良かった。僕の魔法への対処に追いついていなかったから。それが次第に押され始めて、今は自分を守るので精いっぱいだ。
「風中級魔法ウィンドアロー」
赤髪の魔導士が唱えると風の矢が数本勢いよく飛んできた。
「ちょっ、待って」
「風中級魔法ウィンドカーテン」
風のカーテンで矢を止める。本来こんなに魔法を連発したら魔素切れで倒れるはずなんだけどな。魔素を練る速度、回復速度、攻撃力等魔力自体に差がついている。正直言って魔導士としての格が違う。
それでも、僕だって三属性を扱う魔導士。勝てなくても負けられない。
ドン
俺の蹴りがまともに忍者の腹に入った。忍者の体が十数メートル飛んでいく。
そろそろ止めを刺すか。相手のカウンターの双剣を瞬時に数歩移動する歩行術で避け、左肩を嚙み、爪と足技の連続技で削る。
(反撃の技は悪くなかった。バックステップが無かったら当たっていただろう)
忍者は耐えきれず膝をつく、これで終わっただろ。
「クハハハ、アハハハ」
終わったはずだった。それなのに相手は立ち上がった。
「殺す気があるってことは殺される覚悟は持っているよな!」
「!」
気付いた時には数歩飛び下がっていた。手が震えている、この状況で俺が恐れている?
「ここから先は何でもありだ。死んでもあの世でキャンキャン喚くなよ!」
ふざけるな、いままで手も足も出なかった奴が。
8月頃になるかもしれませんがまたイラストを依頼しています。