第十八話 「分かりました。質問は大丈夫です。いろいろありがとうございました。」
主人公の表記カタカナに変えました。
「番号札22番をお持ちの方、1番の受付にお越しください。」
自分の番号札が呼ばれたので1番って書かれている受付に向かう。
「それでは、これが冒険者カードになります。他国に行く際や町、村を行き来するときに衛兵や番人に見せる身分証明にもなりますので大切に保管してください。紛失した場合は改めて作るのに銀貨3枚が必要になりますのでご注意ください。」
さっきと同じ受付嬢が説明してくれた。
この世界では身分証明もしくはIDはわりと簡単に取れる。もちろん、過去に犯罪を犯していたり指名手配されている場合は難しいがそういった事が無ければ冒険者カードは取れる。それに、冒険者登録の初回は無料だ。
(初回無料ってすごいよな。)
「はい。ありがとうございます。」
俺は手渡されたカードを受け取った。
(これが冒険者カードか。思ったより小さいな。)
冒険者カードは茶色で大きさは免許証くらい。冒険者カードにはさっき書類に書いた個人情報が記されていた。
ヒロシ タナカ 24歳 職業 忍者
ランク:H
所属 ファミリア サンダーバード
名前がカタカナなのは西大陸語で名前を書いたからだ。
冒険者カードを受け取って少し感動する。
(これで、俺も冒険者になったのか。これが目的の元居た世界に戻る方法を探す一歩目だ。)
「タナカ様。」
受付嬢が俺を呼んだ。
「あ、はい。」
「タナカ様は冒険者になるのは初めてでございますか?」
俺が顔を上げると受付嬢が尋ねた。
「はい。初めてです。」
「それでしたら、少し説明をさせていただきます。冒険者とは冒険者ギルド総括会に所属されている者で主に依頼者から依頼されたクエストをこなす職業です。冒険者ギルド総括会に所属の冒険者は先ほど渡された冒険者カードを見せる事により各地に行き来する事ができます。ただしランクによっては行けない場所もありますのでお気を付けください。詳細な説明や注意点はこの冒険者ノートに書かれているのでお読みください。」
受付嬢は手帳ほどの大きさの冒険者ノートを手渡した。
「ありがとうございます。」
俺は冒険者ノートを受け取る。表紙に冒険者ノートと書かれていた。余り分厚くはない。
「最後にHランクのクエストを1つ見繕ってきましたのでよろしければクエストをお受けください。」
受付嬢は1枚の紙を机の上に置き俺の方へ差し出す。
紙には『Hランク 採取クエスト チナエ草 5本 報酬鉄貨5枚』と書かれていた。
チナエ草とは薬草の1種でポーションの素になる。確か近くの森に群生している。
(まだ、朝だし。行ってみるか。)
「ありがとうございます。よろこんで依頼受けさせて頂きます。」
俺は依頼書を受け取った。
「では、採取が終わりましたら隣にある素材回収カウンターに採取対象と依頼書をお持ちになって報告してください。クエストを受ける時はクエストボードに張られている依頼書をお持ちになって受付にお越しください。クエストは冒険者様の冒険者ランクの1つ上から1つ下までなら可能です。説明は以上となりますご質問などはありますでしょうか?」
(てことは俺の場合はHランクからGランクまでか。)
「分かりました。質問は大丈夫です。いろいろありがとうございました。」
俺は礼を言ってその場を後にした。
初めてのクエストは大抵採取クエスト。