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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
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外伝39 立つ鳥青天に消える

今月第四話。

「いってきます!」

 変性魔法を解き本来の姿に戻る。黒髪から深く鮮やかな紅赤色の髪に戻っていく。三つ編みもほどいてシンプルに肩くらいのストレートにした。

 瞳の色も黒から赤に戻った。

 家を出て、村の門に歩を進める。門前には村の皆が集まっていた。

「気をつけてなドロシー、村の事は俺達義勇団に任せろ」

「ヘンリーの事はわし達がしっかりと見とるから心配せんでな」

 1人ずつ声を掛けられ、涙をこらえながら進んでいく。

「ここはあんたの故郷だからいつでも帰ってきていいからね」

「そうだぞ、たまには顔を見せに帰って来いよ。

「皆ありがとう。私きっと立派な冒険者になって帰ってくるから」

 村を出て目的地であるブィンドの方向へホウキを向けた。

 ホウキでしばらく飛んでから、村の皆が本来の姿のままでも変わらず声をかけていたことに気が付く。

赤い髪が嫌いだった、人とは違う瞳の色を魔法で黒にした。物心がついた頃、自分の容姿が変わっていることに気が付いた。王都で父と2人で花を売った時に向けられた好奇の目。

それからしばらくして自分に魔法の才能があることをステータス画面のアビリティ一覧から知った。魔法適正の次に覚えたのが変性魔法だった。赤い髪を、紅の瞳を少しずつ〝普通″に近づけていった。

 幸いにも魔素量が多かったせいか変身の時間は長く保てた。

姿を変えても父は何も言わなかった。村の皆もいつも通り接してくれた。子供の頃には気付かなかった皆の優しさを今になって分かった。

しばらく飛んでいると下に小柄な騎士と偉そうな忍者の姿が見えた。

(フフフ、空から降りて驚かそう)

「あなた達遅いわね。ブィンドまで何日かけるつもり」

 空中から一気に降下し、2人の目の前に降り立った。

 2人とも目を真ん丸にし、口を大きく開いている。

 私の姿に驚いているのかそれとも突然人が降り立ったからなのかはわからない。

「その声、ドロシーか?」

 最初に口を開いたのはヒロシだった。

「そうよ、ドロシー・セビュロスよ」

「え、本当にドロシーっすか。でもそのすが…」

「奇遇だな、こんなところで何をしているんだ」

 ヒロシはジャックの話を遮り話を逸らした。気を遣って容姿の事を指摘しようとしたジャックを止めてくれた。

「そうね、冒険者に成りに行くの」

「へー」

「ついでにあなた達の仲間になってあげてもいいわよ!」

話としては第四章終わりです。後はいつものステータス発表です。

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