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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
220/386

第百七十八話 「ゴブリンを倒してくれてありがとうね。あなた達の事は忘れないわ。さあ、今日は楽しみましょう」

今月第一話。

4月14日 8:00

マンチキン村

 ゴブリン集落の激戦から数時間後、俺達3人はボロボロの姿のままゆっくりとマンチキン村への帰路についた。主に傷だらけだったらのは俺とジャックだった。

 村の門がゆっくりと開き、ブリキや村長をはじめ村人達からの歓声を浴び、俺達は宿屋ウィンドミルに着くと布団に倒れこんだ。正直村人達の声はほとんど聞こえていなかった。人は疲れがマックスになると勝手に情報をシャットダウンするらしい。

 ただ1つ覚えていたのはドロシーを心配していたヘンリーさんが娘の姿を見つけた時の安心した顔だけだ。よっぽど夜に抜け出した不良娘の事を心配していたのだろう。

(それもそうか朝起きたら娘の姿が消えているんだもんだ)


4月14日 18:00

 約10時間後、俺は目を覚ました。最初に感じたのは腰と背中の痛みだ。理由はライトアーマーを着たまま寝たからと激戦からの筋肉痛。

(これで何回目だ。治らないなこの失敗は)

「フファー、よく寝た」

 外が騒がしい、窓から覗くと村の中央で村人の皆が飲めや歌えやの大宴会を行っていた。中にはドロシーやジャックの姿も見える。

(あいつら先に起きていたのか。いいね、若者は)

 俺も宿屋を出て村人達の輪に入った。

「お!タナカさんが起きてこられたぞ。もっと酒を持ってこい」

 ブリキが1番に気付き俺に酌をした。

「さあさあ、まずは一献」

 仕方ないこれは受けざるを得ないな。

「いや、見事ゴブリンどもを退けて頂き誠にありがとうございます」

 次に村長のカカシさんが礼を言いに来た。

「いえいえ、俺達はただクエストをこなしただけなので。後処理は出来るだけしました。後は国か冒険者がしてくれると思います」

 自分が仕掛けた罠も取り除いた。これであの森も安全になっただろう。ブリキさんもすぐに木こりに戻れるはずだ。

「そうそう。これはクエストなんだから皆も騒ぎすぎよ」

 気づいたらドロシーが隣に座っていた。ジャックは輪の中央で武勇伝を恥ずかしげもなく義勇団のメンバーに語っている。

「そこで俺は襲い来るゴブリンをちぎっては投げて、数はそうっすね200はいたっすね」

(あいつ少し盛って話してやがる)

「あ、後これ是非村の防衛の強化に使ってください」

 俺はエクストラポケットからゴブリンが持っていた武器や防具を取り出した。ほとんどは木製の槍や革の盾などだがいくつかは義勇団でも使えそうな物があった。

「おお!」

 ジャックの話を聞いていた義勇団の若者達が装備に群がってきた。

「本当によろしかったのですか?」

「ええ、俺達の分は十分ありますので」

 おそらくコブが装備していた青のライトアーマーは前にこの村に来たというEランク冒険者の物だろう。3人分の装備はギルド経由で遺族に渡してもらおう。

「ゴブリンを倒してくれてありがとうね。あなた達の事は忘れないわ。さあ、今日は楽しみましょう」

 ドロシーは俺の手を引っ張り、村人が躍っている輪の中まで連れて行かれた。

 宴会は夜遅くまで続き、案の定次の日俺は二日酔いになった。

(この世界の住人皆酒強すぎ) 


村に戻り、宴会!

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