第十五話 「まあ。ケビンさんがついてるから大丈夫だと思うが気を付けて行ってこい。」
説明してると物語が進まない。
チュンチュン
「うーん。ふわー。」
盛大なあくびをしながら両手を伸ばし俺は起きた。
窓を見ると小鳥系の魔物が飛び立つ所が見えた。この世界では動物は存在しない、どれだけ無害な生き物でも魔物だ。俺がこの世界で初めて会った熊もホワイトバックと呼ばれる魔物だった。魔物と動物の違いは空気にある。元居た世界の空気成分のほとんどは窒素、酸素、二酸化炭素などだが、この世界、セロの空気中には魔素も含まれている。魔素というのは魔法のもとになる物らしい。マナとも呼ばれる成分。俺も詳しくは分からないがこの世界では空気中に魔素があり、魔法も存在するらしい。
(魔導士っていう職業がある以上魔法は存在するのだろうが。)
魔素が空気中にある事は生態系にも多大な変化が起きたのだろう。この世界に住んでる全ての生物は魔素を必要とする。生きていくうえで魔素を必要とする生物、それこそが魔物だ。俺もこの世界に来ていつの間にか魔物になっていたというわけだ。魔素にも属性があるらしいが、そこら辺はまだよく分からない。この半年間この世界で生きてきたが、別段体に支障はなかった。元の世界より健康的な生活をしているせいか前より丈夫になった感すらある。
俺はパジャマから外着に着替えた。パジャマはこの世界来た時に着ていたシャツとズボンだ。セロにはない素材で出来てるので外では着ないようにしてる。外着は革製のズボンと茶色のチュニック、ザ中世の服装をここに連れてこられた時にケビンさん達に貰った。チュニックてのは丈が長い上着のことを指すらしい。分かりにくいならRPGの村人の服装を想像してもらえばいい。
(チュニックはまあいいとして革のズボンは動きにくい。)
ここに連れられた時に日常に必要なものは大体貰った。外着もこの他に数着ある。お金もラウラさんから与えてもらった。さすがに、そのまま貰うわけにはいかないので借りる事にしている。
(ここまでいろいろして貰って返せないくらいの借りが出来ているな。)
俺は下に降りてキッチンに顔を出した。そこには、ケビンさん達が朝食をとっていた。
「おはようございます。」
「おはよう。裕君。」
ケビンさんはコフィ(コーヒーに似た飲み物)を飲みながらあいさつに答えた。
セロにもコーヒーや紅茶文化があった。セロでのコーヒーを飲んだ事があるが、味はほとんど変わらなかった。正しくは違うのだろうが製法が似ているのだろうか。コーヒーも紅茶も好きな俺にとっては似ているものが飲めるだけでも喜ばしい事だ。
「裕君早く顔を洗ってきなさい。朝ごはんもう準備できるから。」
エイラさんがお母さんポイ事を言った。
「はい。」
俺は水場に向かった。そこにはエースさんとキッドさんが顔を洗っていた。
「おはようございます。」
「おう、おはよーう。後でギルドに行くんだよーな裕?」
顔を洗いながらエースさんが聞いた。
「はい。その予定です。」
「まあ。ケビンさんがついてるから大丈夫だと思うが気を付けて行ってこーい。」
キッドさんが言った。
顔を洗い朝食をとるためキッチンに向かう。
説明下手で済みません。