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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
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外伝35 肉を切らせて盾を断つ

今月第三話。

(くそ、こいつどんな体してんだ)

 対峙している巨体ゴブリンは持っている大剣をブンブン振り回している。装備は鉄製の鎧と大剣のみだが、力任せに振ってくる大剣がとんでもない攻撃力を持っている。

 見た目は大剣だが切れ味はほとんどないようだ。武器自体の性能は鉄の棒とさほど変わらない。

ボン

 近くにあったゴブリンの家屋が1撃で吹き飛んだ。幸い動きが遅いのでまだ当たってはいないが1撃でも当たれば終わりだろう。

 当然こっちも攻撃の隙に反撃は行っているがまるで効いていない。

(炎の壁を突破したときの火傷にヒロシの罠からの傷。そのほかにも全身傷だらけだ。回復をしている様子もない。それなのにまるで支障がないように攻撃してくる)

 普通あれだけ攻撃が当たれば動きも鈍くなるものだが。

ドン

 大剣を避けて足に片手直剣を突き刺した。

「ブオー」

「おっと」

 身を低くし大剣の反撃を避けた。痛みは感じているようだ。こいつまさかただのとんでもない鈍感か。

 身長差もあり中々急所に攻撃を与えられないのも戦いが長引いている要因だ。

(手っ取り早く頭に1撃入れればいいんだけどな)

 相棒のヒロシだったらこんな奴足で翻弄し、遠距離攻撃で難なく倒せるはずだ。それでも俺にこいつを任せたのは槍の方が手強いと感じたのだろう。

(くそ、俺がもう少し速く動ければ)

 このままではいつまでも致命傷が与えられず戦闘が長引く。

(よし覚悟決めるか!本当はこんな博打打ちたくないけど)

「ウォール!」

 巨体ゴブリンの大剣に盾を合わせる。

バキン

 大剣は円盾を粉々に砕き、そのまま俺の左腕を折った。

 大剣はそのまま地面に突き刺さった。

「痛ぇー、ウオオオオー!」

 痛みで涙が出るが俺はひるまずそのまま大剣を駆け上っていく。

(まじで痛ぇー。でも覚悟したから何とか我慢できた。これこそ肉を切らせて骨を断つだ)

 大剣を駆け上り、ゴブリンの腕からジャンプしてゴブリンの頭に剣を突き刺した。

「これはさすがに効くっすよね!」

 最後の足掻きに振りほどこうと首を回すが両足で首を絞めて止めを刺した。

「グオーーー」

 巨体ゴブリンはゆっくりと地面に倒れ伏す。

「ハアハア、ウォシャー!」

夏ももう少しか。。。

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