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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
206/386

第百六十八話 「今村に引き返すとかなりのタイムロスだ。しょうがない1度落ち着く所を探すぞ」

今月第三話。

宿屋 ウィンドミル

「あ~、疲れた」

 俺は部屋の中で布団に横たわる。

(本当は風呂に入って、ぐっすり寝たいところだが状況的にそんな時間はない)

「いいんすか、ブリキの奴を許しても」

 頭を少し上げてジャックの方を向く。

 ジャックが怒るのも仕方がない。ブリキがあのゴブリンを倒したことでゴブリン達に冒険者が近くにいることを知らせてしまった。

本来では奇襲を仕掛けて一気にゴブリン集落を落とす計画だったが警戒しているゴブリン達の隙を突くのは難しい。

(それに今回の件で分かったがあの狼の嗅覚は馬鹿にできない)

「まあ、そう言うな。ブリキも仕事場である森を奪われ、奥さんもゴブリンに襲われたそうだ」

 本当は1番ゴブリンに敵討ちしたいはずなのに村の事を思い、村の守りを固めることを優先した。

「…それでどうするんすか、警戒しているゴブリン達に奇襲は通じないっすよ」

「ああ、それでもやるしかない。本当は1日、2日おいて、奇襲する計画だったがそんな時間はない。予定を早めるぞ」

 ゴブリンに気づかれてしまった今予定を早め、ゴブリンの態勢が整う前に叩く。

(幸いジャックの存在はばれていない)

「疲れが残っている状態で大丈夫すか」

「ああ、まだ戦える」


4月13日 21:00

 俺とジャックは村を出てオズの森に向かった。

「ドロシーやブリキに言わなくてよかったんすか」

 ジャックは村の方に振り向き言った。

「あいつらに話したら嫌でもついて来ようとするだろ。今回は下見じゃなく本番なんだから」

 ドロシーもブリキもゴブリン単体は倒せるだろう。だが、集団戦の経験はあまりないはずだ。魔物の群れは狡猾に連携して襲ってくる。

(今回は守りながら戦えるほど余裕はないからな)

それにおそらくあの集落には噂の新人殺し(ルーキーキラー)がいるはずだ。場合によっては撤退せざるを得ないかもしれない。

森に入ってしばらくした頃索敵に何者かが引っ掛かった。

(この感じ敵じゃないな)

「…後ろの木に隠れている奴出てこい」

 俺は足を止めて、声をかけた。ジャックは片手直剣を構えゆっくりと木の方へ近づいていく。

「!」

 木から出てきたのはドロシーだった。町娘の格好に両手でホウキと杖を握り申し訳なさそうにこっちを見てきた。

(嘘だろ。最悪だ、これはどうしたものか)

「どうするっすか」

「今村に引き返すとかなりのタイムロスになる。しょうがない1度落ち着く所を探すぞ」

いつの間にか201話になっていた。

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