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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
205/386

第百六十七話 「!…分かった。ありがとう」

今月2話目。

 アビリティ千里眼でこちらに向かってくるゴブリンの数を確かめる。

(やばいな。集落総がかりで来ている)

ゴブリンの集団は攻撃力が高いホブゴブリンを先頭にライダー、シャーマンと大勢で向かってきていた。囲まれたら逃げる事は不可能だろう。

「行け!ジャック!」

 俺の掛け声とともにジャックはブリキとドロシーを連れて村の方へ走り去った。

「ヒロシ無事に逃げるっすよ!」

 ジャックは去り際に一言残していった。

(どっかできいたセリフを吐いて行きやがって)

「ああ、任せろ」

 俺は自分に言い聞かせるように呟いた。

 ゴブリンが茂みから出てくると同時に投げナイフを投げる。

「こっちだ、ゴブリンども」

 逃げるにしてもある程度引き付けないといけない、ジャック達の方へ行かれても困る。


「ハア、ハア」

 これで何本目かわからない獣道を走り抜け、けむり玉を投げた。

「ワン、ワン」

 しかし、ゴブリンライダーが乗っているグレイウルフがいるせいで目くらまししてもにおいですぐに場所がばれてしまう。

(あの狼思った以上に厄介だな)

 それでも、少しずつ追手は減ってきていた。あとは追ってきている3人のゴブリンライダーをどうにかすれば逃げ切れるはずだ。

 エクストラポケットから弓と矢を取り出す。アビリティ千里眼のおかげでゴブリンライダー達の居場所が分かる。白煙から出てきた最初の1人に狙いを澄まし、矢を放った。

ドス

 乗り手であるゴブリンの頭に当たった。乗り手を失った狼は驚き、森の中に去っていく。

 弓と矢を仕舞い、今度は魔法を放つ。以前使った10種類の属性の玉を出し、ゴブリンライダーの2人にぶつけた。

 突然の魔法に驚いたライダー達は避けることができず、そのまま魔法が炸裂した。

(よし、これで撒けるかな)


4月13日 17:00

マンチキン村

(やっと帰ってこられた)

 森の中を走り回ったせいでボロボロだ。

「見ろ、誰かいるぞ」

 村のほうから声が聞こえる。門の周りに義勇団が集まっていた。

 門が開きジャックとドロシーが走り寄ってきた。

「よかったす、本当によかったす」

「痛てて、苦しいってジャック」

「本当よ。ヒロシ全然帰ってこないからゴブリンにやられたんじゃないかって思ってたのよ」

 ジャックが飛びついてきて、ドロシーは少し涙目になっていた。

「本当っす。もう少し遅かったら村人押しのけて森に行くところだったす」

 行き違いにならなくてよかった。森に助けに来ていたらジャックの存在もゴブリンにばれるかもしれない。よく我慢してくれた。

 村に入るとブリキが近づいてきた。

「今回の件本当にすまなかった」

 こいつの気持ちも分からなくはない。俺はブリキの胸を軽く叩く。

「…飯1回奢りで許してやる」

「!…分かった。ありがとう」

さてそろそろ集落を本格的に討伐します。

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