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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
196/385

第百五十九話 「そうだな。ちょっと聞いてくれるか」

今月最終話。

 倒したゴブリン達の解体を終え、俺とジャックは村人を埋葬していた。遺体を土に埋め、簡単な墓を作った。この世界では死体を埋葬しないと魔物は動く死体(ゾンビ)やゴーストなどのアンデット系の魔物に変貌することがある。

(シスターや僧侶などがいれば、ちゃんとした手順で死者を送ることも出来たんだけどな)

「すまねえす。今の俺達ができるのはこのくらいす、申し訳ないっす」

「…」

 村の大きさから推測して村人は100人近くいたはずだ。12人のゴブリンだけで滅ぼせるとは思えない。村人を襲った後に運ぶことも考えれば村人と同じくらいの人数が必要だ。

(ホブゴブリンやシャーマンなどがいることも考えた方がいいな)

 ホブゴブリンはゴブリンの進化種で体格や戦闘力はゴブリンの2倍近くある。

ゴブリンはヒューマンと同じで職種に就く魔物だ。獣の背に乗り戦うライダーや魔法を扱うシャーマンなど多種多様なゴブリンが存在する。

「大丈夫すか、ヒロシ」

「ああ、少しゴブリンの事を考えていた」

 クエストの情報通りなら今回倒したゴブリンは俺達が受けたクエストのゴブリン集落から来たゴブリンだろう。

 俺達が少し早くここに来ていれば、もっと早くにゴブリン達を倒していたらこの惨劇は防げていたかもしれない。


 4月11日 21:00

 埋葬を終えた時には、すでに周りは暗くなっていた。今夜は廃村となったポテサラ村で夜を過ごすことにした。比較的荒らされていない民家を見つけ、ベッドや家具を借りた。夕飯は俺とジャックも食欲がなかったのでそのまま寝ることにした。最初の見張りは俺がやることにした。

(どうせすぐには眠れないしな)

 民家の屋根に上り、見張りをする。

(ゴ…メン…ダスゲテ…)

 今日最後に殺したゴブリンの顔が忘れられない。多分一生忘れることはないだろう。

(奪い奪われ、殺して殺される弱肉強食の世界)

 次は意思疎通ができる魔物を、人を殺さなければいけないかもしれない。ジャックは見た感じなんともなさそうだった、それが普通なのか。弓を射った時覚悟を決めたはずなのに心がもやもやする。

(俺は冒険者向いてないのかもしれない)

「よいっしょと。あ、いたっす」

 ジャックが屋根に上がってきた。

「ジャック!」

「もう交代の時間すよ」

(いつの間にかそんな時間になっていたか)

「お、すまねえ」

 俺は下に降りようとする。最低限の休息は取らねえとな。

「ヒロシ、少し話をするっす」

「え!」

「これ以上そんな陰気な顔されちゃあたまんないっす」

 仲間のジャックにまで気を遣われてしまった。

「…」

「悩んでいるのなら話すっす」

「そうだな。ちょっと聞いてくれるか」

ゴブリンのドロップアイテムは爪や耳あとは持っていた装備などです。

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