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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
193/385

外伝32 小鬼に槍

今月第三話。

シャルル王国 マンチキン村近くの森

「グアアー!」

 ボウケンシャの剣を避け、反撃に槍で胸を刺した。

「ホブー!!!」

 隣のいる巨体のゴブリン、ホブが追い打ちに持っていた2mある両手剣で剣士を押しつぶす。

「オイ、死んだ奴を潰すのはやめろって何度も言っているダロ。血が飛んで鎧が汚れたじゃナイカ」

「タク、その両手剣も全然手入れしていないからただの鉄の棒になっているじゃナイカ」

かろうじて両手剣の形をしているホブの武器を見て呆れる。

「ホブブ」

 ホブは申し訳なさそうに頭をかいた。

(ったく、このバカは本当に分かっているのだろうか)

 それよりも逃げたヒューマンを殺すのが先だな。ヒューマンを追いかけ、後ろから脇腹を突いた。

「ギャアー!ッヒ、やめろ」

 倒れたヒューマンは這いつくばって森の外へ逃げようとする。

「なんなんだよ!なんで何も通じないんだよ!まさかお前らが…新人殺し(ルーキーキラー)!来るな、来ないでくれ!」

 ヒューマンは近くにあった石やら木の枝を投げつけてくる。脇腹の傷は結構深いのにこいつよく叫べるな。

グサ

「ホブ?」

 とどめを刺し終えてから、ホブが追い付いてきた。

「遅い!こいつの装備は俺が貰うからナ」

 それにしてもこの盗賊にしても、先倒した狩人と剣士もいいもの持っているのに何でこんなに弱い。傭兵続けて1年、数多のヒューマンと戦ったがどいつも弱かった。

最近ではヒューマンのボウケンシャからルーキーキラーと呼ばれ、恐れられ始めている。ヒューマンから付けられる名前には興味はなかったが、自分がヒューマン達の中で有名になっているのは気持ちがよかった。

「ホブホブ」

 ホブは嬉しそうに頷いている。

 本当に分かっているのか、こいつは。ヒューマンが着ていた青いライトアーマーを脱がし、古い装備を捨て着なおした。来ていたヒューマンが小柄だったためか自分の身体にぴったり合った。

「なかなか悪くないナ」

「ホブホブ」

「ホブ―?」

 ホブが森からかすかに見える村を指さした。

「イヤ、俺達の仕事に村を襲うことは入ってイナイ。村に戻るゾ」

 俺達はゴブリン専門の傭兵。仕事は雇われたゴブリンの村を守ること。金にならないことはしない。


ゴブリン集落

「ギギーギガグルーダ」

 集落に戻り、長に襲ってきたヒューマンは倒したことを報告した。

 集落の端にある自分達のテントに戻り、昼食を作る。料理といっても肉を焼き、塩をまぶした簡単なものだ。ちなみにテントも料理用具も全部ヒューマンから奪ったものだ。

ガツガツ

 隣で座っているホブは相変わらず肉を生で頬張っている。ホブもこの集落の奴らも料理をしない。俺には全く理解が出来ない。だが、集落の奴らは肉を焼く俺を軽蔑のまなざしで見てくる。ここでは俺の方が異端だ。これまでの集落でもそうだった。誰もが俺を変人としてみる。文化レベルが低い所で暮らすのに反吐が出る。金が貯まったら自分だけの村を作ってやる、ヒューマンにも負けない、立派で高文化な俺だけの村を。

ゴブリンの2人組登場!名前はホブとコブ。

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