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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
191/385

第百五十五話 「久々の戦闘だ。気を抜くなよ」

今月第一話。

4月11日 7:00

「ほい、コフィ」

「ありがとうっす。まさか野宿した朝にホットコフィが飲めるなんて。それもこれもヒロシのおかげっすね」

 セロでの冒険中や野宿での飯事情は干し肉やパンなど、簡単に携帯できるものばかりらしい。干し肉とパンばかりじゃあ、栄養も偏る。少し手間だが出来るだけ料理しようと思っていた。おいしいものを食べればそれだけ士気も上がるってものだ。

「口に合ってよかったよ」

 元居た世界で少し料理をかじっていて良かった。凝ったものはできないし男料理ばかりだが、野宿中では逆に時間を取らない物のほうが合っている。

「それで昨日の話で気になったんすけど」

 昨日の話っていうと俺の事か。

「なんだ?」

「ヒロシは記憶喪失じゃないんすよね。だったら、王都の図書館で何を調べていたんすか」

「ああ、それはな」

 俺はジャックに図書館で調べていた事について話した。

俺が基本的に調べていたのはこの世界での常識や冒険者にとって役立つ情報。そして、元居た世界に戻る方法などだ。

分からない事や気になったことを時間が許す限り片っ端から調べた。

「なるほど、ヒロシの目標は元居た世界、地球ってところに戻ること、そこに帰る方法を調べていたんすね。で、ついでにセロについても調べていたと」

「まあ、そんな所だ」

 帰る方法についてはほとんど進展なかったけど。

「戻る手段として有力なのは魔法と教会すか」

「ああ、魔法についてはラウラさん達にも聞いてみようとは思っている」

 その時にファミリアの皆に本当のことを打ち明けよう。

「教会の方は少し時間かかるかもすけど、俺からも探ってみるっす」

「いいのか?」

「仲間の夢は応援するもんすよ」

 ジャックはニカっと笑い、自慢げに胸をたたく。

「教会で神様と話せるって言ったら聖人様や主教様とかっすかね」

「聖人…」

 確か教会で保護している特殊な人達だっけ。主教は教会のトップに立つ人物。

「主教様はもちろん聖人様も簡単に会える人物じゃないっすけど」


4月11日 9:00

「よし、片付け終了。忘れ物はないな」

「うす」

 とりあえず、今日の目的はレイジブルとレッドボアだ。

レイジブル:体長約200㎝、体重約1トン。高原や草原など草が生い茂る場所を好んで生息している暴れ牛。討伐ランクはFだが、短気で縄張り意識が高く、縄張りに入った者には容赦なく突進してくる凶暴な魔物。角と突進に要注意…etc

「なるほど、対処はレッドボアとほとんど変わらないすね」

 マリナスさんの所で帰り際買った魔物図鑑Ⅱを読みながらレイジブルの縄張りである平原に向かっていた。

「まあな、今回は毒をなるべく使わず仕留めようと思っている」

「いいすね、今晩は焼肉す」

(確かに肉を焼くだけだし楽でよさそうだ。)

「久々の戦闘だ。気を抜くなよ」

キャンプの朝に飲むコーヒーってなんであんなにおいしいんだろう。

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