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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
188/385

第百五十二話 「だから、当分は今と同じ冒険者を続けるっすよ」

今月4話。

「味見よし。よそっていくぞ」

 こんな所で元居た世界で料理していた経験が生きるとはな。素材もエクストラポケットの中に入れておけば保存できる事が判明した。色々実験した結果、エクストラポケットの中では時間が止まっているらしく、入れた時と同じ状態で保存できる。生物は入れる事が出来ないが、素材や装備などを保存管理出来るだけでも大いに役立つアビリティだ。

 発動時に出る黒い渦も1つから2つまで増やすことに成功した。

 ちなみに今使っている料理器具はブィンドを出る時にマリナス商店で買った物だ。その時にジャックのマジックバック小も購入した。野宿に必要な寝袋や、火打石なども買ったので、今俺とジャックの所持金は微々たるものになってしまった。

「ほらよジャック。熱いから気を付けろよ」

 器にカリーと米をよそってジャックに手渡す。

「うす」

 自分の分もよそって、男2人大自然の中晩飯を食べる。

「それでジャック、騎士士試験合格したって事は冒険者の方はどうするんだ?」

 ジャックの夢は親友のシグルドと同じ騎士団に入って活躍する事、当然騎士試験に合格したのであれば冒険者を続ける必要はなくなる。少し寂しくなるが、仲間の夢は応援しないとな。

「試験に合格したからって直ぐに騎士団に入団できるわけじゃあないんすよ」

「そうなのか?」

「うす、まずは教会で正式に騎士に昇格する必要があるっす」

 今のジャックの職業は騎士見習いのままだ。騎士に昇格するためには教会で儀式を行う必要があるらしい。シャルティアの教会ですればよかったのにと言ったら、ジャックに受験者の約半分が合格したんすよ、どれだけいると思っているんすかと言われてしまった。

 合格者全員をその場で騎士に昇格するには数日かかるらしい。それなら、ブィンドに戻ってからゆっくり昇格した方がいい。

(試験には合格しているからな。焦る必要もないか)

「それから、教官になる先輩騎士の下、一人前の騎士になるため修行をするっす」

「その先輩騎士の所にはいつ行くんだ」

「これが1番やっかいなんすよ。俺の場合直ぐには見つからないと思うっす」

 騎士試験に合格した騎士は先輩騎士から声がかかるまで基本的には待機する。すぐ見つかればいいが、教会所属の騎士も多忙の身だ。なかなか声がかからない騎士も多いらしい。

「それに先に声がかかるのは優秀で貴族出身の騎士っす。ハーフの俺は1番後回しっすね」

 教会で騎士に登録後、先輩騎士から声がかかるのを待ち、見つかった後は騎士の下で修行。その後に一人前の騎士と認められればやっと騎士団に入団できる。

(なかなかに長い道のりだな。だから冒険者と騎士を兼業している者も多いのか)

「だから、当分は今と同じ冒険者を続けるっすよ」

騎士の道も長い。

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