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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
ドロシー・セビュロスとトリオ編
181/385

外伝31 ハーフを色眼鏡で見る

今月第2話。

4月9日 12:00

「フウ」

 教会を出た俺はプレッシャーを吐き出すように大きいため息を吐いた。これで試験終了、最終日の面接を終え後に残るのは明日の結果発表のみだ。

(相変わらず面接は最悪だったな)

「それでは将来入りたい騎士団はありますか?」

「はい。幼いころからあこがれだった聖剣騎士団に入りたいです」

 俺の回答に面接官を担当していた聖盾騎士団の3人は笑いをこらえきれずにいた。

(一応最低限我慢しようとしてはくれたけど。それでも、気分は良くないな)

 騎士試験の登録で自分のプロフィールは書いている。面接ではそのプロフィールが面接官の手元にあり、それをもとに面接が行われる。自分の種族がハーフであり、なおかつ平民出身の騎士見習いだということを事前に知っていた面接官は俺の返答を笑った。ハーフで平民の騎士見習いが7聖騎士団のましてや聖剣騎士団に入れるわけがないと思われたのだ。当然気分は悪いがそれが騎士団の教会内での常識。

(面接は元々期待していなかった)

平民出身の騎士は貴族出身の騎士にあまり良く思われていない。そして、面接を担当する聖盾騎士団は貴族出身の騎士が多い。そもそも平民出身の騎士自体が少ない。ズーク王国ではハーフ、亜人偏見もあるので俺が合格するのは困難だ。

(それで去年、俺とシグルドはわざわざシャルル王国に来て騎士試験に登録したんだけどな)

それでも偏見を持つ騎士は多い。自分の夢がどれだけ険しい道のりなのかは自分自身が1番解っている。だから我慢する事が出来た。

(面接の点は最悪だろうな。でも筆記と実技で出来るだけの事はした。ああ、去年に比べて満足できる試験になった)

「よ!ジャック、おつかれ」

 教会の門前に仲間であるヒロシが立っていた。

「うす。あ~あ、疲れたっす。腹も減ったす」

「そうか。ショーンさんが昼飯を準備してくれている。さっさと帰ろうぜ」

 ヒロシは試験の事を何も聞かない。面接で何があったのか、実技は大丈夫だったか。筆記試験の日に軽く聞いてきた以外は俺に気遣って何も聞かずにいてくれた。その気遣いが俺は嬉しかった。

これにて騎士試験終了。少しあっさりしているかもしれませんが外伝なのでこれくらいがいいと思っています。

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