第百四十五話 「ああ、頑張って来いよ」
ノルマの4話投稿終了。
4月7日 8:30
シャルティア 教会前
試験の為、ゾロゾロと騎士見習い達が教会に入っていく。やはり貴族の子供達が多く見える。高級な装備に隣には執事が付き添っている者までいる。ジャックみたいに自分で素材を集めて作った装備を使っている方が少数だろう。
(それにしても、王都の教会だからさぞかしすごいんだろうと思っていたが、予想以上だな)
シャルティアの教会の広さはブィンドの教会の約2倍あった。3つの青い塔とそれをつなげる渡り廊下。多分上から見たら正三角形になっているはずだ。ブィンドの教会は2階建てだったが、シャルティアの教会は4、5階もある。流石、7聖騎士団の1つ、聖盾騎士団の本拠地だけはある。
聖盾騎士団は教会の騎士団の中で4番目にできた騎士団で名前の通り騎士団団長は教会が持つ聖武器の1つ、聖盾を与えられた騎士だ。全騎士団中もっとも守備に長けた騎士団らしい。
ちなみに聖武器というのは教会が保持する強大な武器らしく、7聖騎士団の団長に代々与えられるものらしい。どんなものなのかまでは調べられなかった。ジャックの話では1太刀で山を割ったり、1撃で1軍を殲滅したりととんでもないものらしい。
(どこまでが本当なのかはわからないけど)
「それじゃあ行って来るっす」
隣にいたジャックは教会の正門に向かっていく。
もう緊張でガチガチの様子はなさそうだ。
「ああ、頑張って来いよ」
ジャックを見送った俺は朝飯代わりに屋台で売ってあった肉まんじゅうを片手に図書館に向かった。
(気になる書物はいくらでもあるからな)
シャルル王国国立図書館 2階読書スペース
(この本素人にも解りやすく説明されている)
俺が手にしている本は作者パレケルススが書いた“魔導士になるための第一歩”だ。要は魔導士初心者のための本で本当に基礎中の基礎から魔法用語の説明などが子供でもわかりやすく書かれている。素人の俺でも読みやすかった。
(この作者は天才だな)
やっぱり召喚魔法も空間魔法も誰でも習得できるものではないらしい。
(素質がないと駄目か。スキル変り者の効果がどこまでなのか分からない以上こればかりは試してみないと分からないな)
最近たくさんの人に読んでもらえてうれしいです。
次回からジャックの騎士編が始まるので外伝が続きます。