第百三十二話 「はあ」2
今月第四話。
夕飯を取り、部屋に戻った俺は早速図書館から借りた本を読み漁っていた。読んでいるのは教会と12神関連の本だ。
12神とは天界に座している12柱の神々を指す。12神を信仰しているのが宗教団体“教会”。本当にこの世界には神が存在するらしい。そして今まで調べた結果、異世界転移クラスの魔法を行使できる存在は神しかいない。異世界転移魔法は必要な魔素量及び魔力などを考慮しても神クラスでなければ扱えない代物だ。
「はあ」
ついため息を吐いてしまった。
(てことはやっぱり俺を転移させたのは本物の女神だったって事か。これはますます簡単に見つけられないな)
ブィンドの教会で出会ったシスターの話では教会の中でも神と交信出来るのは上層部の1部の人間だけ。
(行けるか分からないが天界に行く方法も分からないしな)
12神がいる天界は物理的な上空に位置しているわけではないようだ。天界とはこの世界セロに近いもう1つの世界らしい。仮につけるとしたら近異世界と言った所か。セロの周りにはそういう近異世界が多数存在するらしい、小さな水玉が集まり大きな水玉の中に入っているようなもの。その1つが天界になる。
12神についても軽く調べたが女神と呼べる存在は6柱。
(仮に神と言う存在に性別という概念をあてはめればの話だが)
12神を調べ天界についてある程度知った俺は次に教会の歴史本を手にする。セロ唯一の宗教組織、教会の成り立ちは1人のヒューマンから始まったらしい。その名も騎士王アーサー・ロンギヌス。今から約1000年前、神々の試練後に騎士王が設立した義勇団が教会の元々の組織らしい。ただの義勇団が今やセロでは誰もが知る巨大組織になっている。
この世界の事情にまだ疎い俺は神々の試練についても調べた。こちらについてはあまり書物がなかった。もしかしたら、もっと奥にあるのかもしれない。
(今日止められたゲートの先とか)
調べて分かったのは1文だけ。〝セロでは500年に1度神々から試練が行われる″。一体神々の試練で何が起こるのかは分からなかった。
(1部の人間しか知らない事なのかそれともセロで住んでいるなら誰でも知っている常識なのか。暇があったらジャックにでも聞いてみるか)
ついでに騎士団の事についても少し調べた。教会には多数の騎士団が存在するらしい。その中でも世間に名が知られているのが7聖騎士団。騎士王アーサー・ロンギヌスの仲間、最初の7人が設立した7つの騎士団。
(確かジャックが入りたがっていたのはその1つの聖剣騎士団だっけ)
少しずつ核心に近づいていく。
説明不足だと思い、画像新しく投稿しました。
こんな感じに大きな水玉(球体)の中に大小様々な水玉(球体)が存在する、その1つがセロと天界と考えてもらえれば幸いです。
私の画力と2D で描いてしまったのでさらに難しく見えてしまったらすいません。
十字線はまた説明するときに説明します。