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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
下級冒険者編
138/386

第百十四話 「ふう。こっからすね。」

今月2話目。

12月15日 13:00

ベーテの森

「よし、ここらへんでいいだろう。」

 俺は焚火に必要な木材などを集め、スキル想像力(イメージ)で焚火を作る。雪などで湿っていても問題なく焚火には火が点いた。これは多分スキル想像力(イメージ)による補正、素材と作り方が揃っていれば完成品を作れる効果範囲なのだろう。

 焚火に火をつけ、弓と火矢を準備した。的は適当な距離にある木にした。雪で湿っているためそこまで引火はしないだろう。

 焚火の火に火矢の先端を近づけ、引火させる。

「よし、行くぞ。」

 的の近くに立っているジャックに1声入れる。

「うす。」

 俺は弓を弾き、矢を放った。

 火矢は真っ直ぐに飛び、的である木の真ん中に刺さる。

「どうだ?」

 矢を抜いて戻ってきたジャックに聞いた。

 使った矢は矢先が燃えているので、2度は使えない。

「正直あんまり分んないす。でも、火は途中で消えず木に刺さったすから、十分成功なんじゃないすか。」

 相手が動く魔物だったらもう少し効果が分かりやすいのかな。

 昨日準備した火矢は合計で10本。1、2戦くらいは10本でどうにかなると思う。

 予備に鋼鉄の矢20本と油紙も用意している。足りなくなったらスキル想像力(イメージ)でその場で作るつもりだ。出来れば1日で終われればいいが、最悪日を跨ぐかもしれないからテントなどの野宿セットも持っていく事にした。

 ちなみにアビリティ弓術もレベル2に強化した。ルイスさんに比べればまだまだだけど、これからは弓も積極的に使うつもりだ。

「ヒロシ折角来たんすから、1体くらい挑戦してから帰らないすか?」

 ワクワク感が隠せないジャック。

「だめだ、だめ。そんな浮ついた気持ちで挑んだら、足元をすくわれかねない。今日はこれで帰って、家でゆっくり体を休める。そして明日万全の状態で挑む。」

 俺は冷静にジャックを止めた。

「ちぇ、分かったすよ。」

 ジャックは少し拗ねたが、考えを改めて帰る事に了承した。


「んじゃあな。今日はちゃんと体休めろよ。」

 帰り際にもう1度ジャックに言って聞かせる。

(口酸っぱく子供に言い聞かせる母親みたいな気分だ。)

「分かっているっすよ、それじゃあ明日。」


12月16日 8:00

ベーテの森 入り口付近

 俺達は朝一でブィンドを出てベーテの森に向かった。

 横にいるジャックを見ると鼻息荒く正面を見つめている。

(やる気十分だな。)

 ベーテの森の中部に進んで行く。途中数回魔物と遭遇したが、軽くいなして先を進んだ。前回地図に記したジャイアントスパイダーの巣に向かう。他の冒険者に見つかってなければいいが、その場合は仕方ないので次の巣に行くしかない。

「ヒロシ。」

 ジャックが小声で蜘蛛の巣を指す。もうすでに目的の巣に近い地点まで来ていた。

 俺は頷き、蜘蛛の巣除去の合図を出す。俺もジャックとは逆の方の蜘蛛の巣を除去していく。


 数分後、大体の蜘蛛の巣は除去できた。

「ふう。こっからすね。」

 ジャックは深呼吸してジャイアントスパイダーの巣穴を見つめた。 

ついにジャイアントスパイダーとの戦いが始まる。長すぎてそろそろ目的を忘れそう。

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