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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
下級冒険者編
136/385

第百十二話 「ああ、簡単に先端に火が付いた矢と考えてくれ。」

今月はいつもより多く投稿できている。

12月15日 8:00

ファミリア サンダーバード キッチン

「おはようございます。」

「ヒロシおはようっす。」

 キッチンのドアを開くとジャックとパーティーブレーメンバンドの4人が食卓を囲って、談笑していた。

「朝からやけに騒いでいると思っていたけど、お前だったかジャック。」

(3回目くらいになるともう慣れるな。)

「で、皆でどんな話していたんですか?」

「他愛のない話だーよ。ジャックの歓迎会はケビンさん達が帰ってからしようとーか。」

 エースさんが答えてくれた。

「いやいや、俺の歓迎会なんてやらなくてもいいっすよ。」

「だめよ、ジャック君だけしないなんて。ヒロシ君の時だって盛大にしたのだから、ね。」

「まあ、歓迎会と言ってはいるが、ただ酒を飲む口実が欲しいだけだろうけどね。」

 ラウラさんが少し呆れたように口を開いた。

 歓迎会か時間的には大して経っていないのに随分懐かしいな。


 朝食後、俺とジャックは俺の部屋で集まり作戦会議を開いた。

「んじゃあ、ジャイアントスパイダーの方を先に攻略するんすか。」

「ああ、アイアンアントは蜘蛛より弱いが、量が多いからな。作戦が失敗した時が怖い。」

 俺達は部屋の中央にベーテの森の地図を広げ、巣の場所などを確認しながら具体的な作戦を話し合う。

「了解っす。とりあえず、巣にけむり玉を放り込んで燻す。弱って巣から出てくるのを待つんすよね。」

 けむり玉は昨日マリナス商店で大量に買った。以前おやっさんに貰ったのと同じ物を10個ほど。

「ああ、その前に近くにある蜘蛛の巣を出来るだけ取り除く。」

 戦っている最中に蜘蛛の巣に引っかかって動きを邪魔された、なんて最悪だからな。

「いつも通り前衛は頼んだ。俺は今回弓に集中したい。」

 俺は部屋の隅に置いているロングボウをちらりと見る。

「弓…すか。でも、スパイダーの外殻って鉄みたいに固いすよ。」

 ジャックの言う通りジャイアントスパイダーの外殻は固く、普通の矢では当たり所がかなり良くないと刺さらない。

「だが、火には弱い。」

 俺はにやりと笑う。きっと今の俺の顔は意地悪をしかけている子供みたいだろう。

「煙はけむり玉で、もう1つの弱点である炎は火矢で対応しようと思う。」

 炎魔法が使える魔導士や発火能力を持つ仲間がいればよかったのだが、この世界そんな優しくはない。

 一般的にはパーティー内に炎系能力者がいたり、発炎効果を持つ武器とかで対応するらしい。もしくは、道具屋で火薬玉を買うとか。

 しかし、俺達にそんな余裕はない。まだ自由に散財できるほど稼いでいないのだから。と言うわけで俺が用意したのが火矢だ。この世界ではあまり見慣れない物らしいが、元居た世界では時代劇などで度々出てくる火がついた矢。

「火矢?」

 ジャックは火矢と聞いてもしっくりこないようだ。

「ああ、簡単に先端に火が付いた矢と考えてくれ。」

 俺はエクストラポケットから昨夜準備した火矢を取り出してジャックに見せる。

炎系攻撃手段で思いついたのが火矢でした。

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