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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
下級冒険者編
131/385

第百八話 「まじすか!」

今月第5話。

12月14日 8:00

ファミリア サンダーバード キッチン

「おはようございます。」

「おはようヒロシ君。朝ごはん出来ているわよ。」

「おはようっす。」

 2度目の事なのでもう驚かないが、ジャックが食卓で自然にコフィを飲んでいた。

「何でお前がいるんだよ。」

 俺は少し不満をこぼす。

「いいじゃないすか。どうせ一緒に装備受け取る約束なんすから。」

「それにもう同じファミリアの仲間だもの、遠慮する必要なんてないわ。何時でも来ていいからね。」

 ジャックがファミリアに入る事はもうすでに皆に知れ渡っているようだ。

「うす。」

「んじゃあ、朝飯食い終わってからおやっさん所行くか。」

「あ、ケビンさん達からの伝言!あまり無茶をしないようにですって。」

(度々の怪我で心配させてしまったな。これからは皆に心配を掛けないようにしなきゃな。)

「了解です。」


装備屋 アナグラ

「おはようおやっさん。装備受け取りに来ました。」

「おう来たか。修復は終わっているよ。ジャックの革鎧も出来ている。」

 修復された鎧とジャックの新しい革鎧は工場に置かれていた。

 ジャックの新しい革鎧は以前の革鎧と比べて断然頑丈さが違っていた。革はレッドボアの厚い皮、それを支える様にブラックウルフの素材が使われていた。

「着て何か違和感があるなら言ってくれ、仕立て直すからよ。」

 俺とジャックは各々鎧を着て、工場内で少し動いてみる。

「うん、いいです。以前よりも動きやすくなってる。」

 黒のライトアーマーは以前に比べて少し動きやすくなっていた。うまく説明できないが腕と足の可動領域が増えたような気がする。

「そうか。関節部分を少しいじったんだが、気に入ったようで何よりだ。」

「すごいすね、この鎧。前のと全然違うす。」

 赤茶の鎧を着たジャックは大喜びだ。前の革鎧よりかなりごつい感じがする。フルプレートアーマーが出来るまでの間に合わせと考えていたが、この装備だったら十分前線を任せられる。

 だが、首にある黒のファーと赤茶の革を支えているブラックウルフの骨のせいなのかちょっと核戦争後の終末で戦っていそうな蛮族みたいな見た目になっている。

(これに骨の兜とか被ったら完全に蛮族だな。まあ本人は気に入っているようだし、いいか。)

「そうか。気に入ってくれて何よりだ。おまけでこれと鉄の盾をつけてやる。」

 おやっさんが持ってきたのは骨の兜と鉄の盾だった。丸い鉄の盾の真ん中には黒いペイントで髑髏が描かれている。

(おやっさん完全にわざとだな。)

「まじすか!」

 ジャックは自分の見た目に気付かないまま兜と盾を持つ。

(まんま蛮族だ。)

 俺は必死に笑いを我慢する。おやっさんは手で口を隠していたが、横にいる俺には笑いを我慢できず、漏れているのが聞こえた。

 おやっさんは純粋に喜んでいるジャックを見て流石に罪悪感がわいたのか最後には普通の鉄の兜と盾をジャックに渡していた。

 ジャックは最後まで気付いていなかったが、あの姿で外へ出たら衛兵に職質、もしくは連行されていたかもしれない。革鎧だけでもやばいが、職質まではいかないだろう。 

装備が無事修復完了。やっと戦いに向かえる。

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