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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
下級冒険者編
128/385

外伝 18 朝になると前日の決心は鈍る。

ついにことわざでもなんでもなくなってきた。

12月12日 23:00

 ジャックはマザーステイストの皆と宴の後片付けをしていた。流石は飯屋の従業員達、酒は飲んでも飲まれるな、誰1人として酔っぱらってはいなかった。ついでに言うと今夜の宴で酔いつぶれたのはヒロシ・タナカだけだった。

「ジャック、そんなにテーブル拭くのいやかい?」

 辛気臭い顔でテーブルを拭いていたジャックにおかみさんが声をかける。

「いやいや、ちょっと考え事してただけっす。」

「ジャックが考え事?どうせHな事でしょ、きゃー。」

 褐色のウエイトレス、サキがジャックをいじくる。

「ち、違うっすよ。ただ…。」

「ただ?」

 無口のウエイトレス、リョウが珍しく話に入ってきた。

「…実は今朝ヒロシにファミリアに誘われたんす。」

 ジャックはテーブルを拭きながら話す。

「おお、いい話じゃないか。もちろん承諾したんだろう。」

 おかみさんは自分の事のように喜ぶ。

「いや、まだ悩んでいて。」

「何を悩むことがあるんでい。こんないい話ないぜ、なあサコン。」

 双子の料理人の片割れ、青鬼のウコンが言った。隣で厨房を掃除していたサコンも頷く。

「だって、入って迷惑かけるんじゃないかと思うと怖くて。」

「はあ。そんな事気にしてるの?ファミリアサンダーバードの皆さんいい人達じゃない。それに彼はあなたに入ってほしくて誘ったんでしょ。」

 ドワーフのウエイトレス、ティニーが言った。

「皆が言った通り。男がうじうじ考えるもんじゃない。そんな事は入ってから悩めばいい。掃除はもういいジャック。あんたはさっさと風呂に入って、寝て明日朝一にヒロシに会ってくるんだ。いいね。」

 おかみさんは悩むジャックの背中を叩いて、階段の方へ押した。

「う、うす。」

 おかみさんに急き立てられてジャックは駆け足で階段を登り、自室に行く。


(早く寝ろとは言われたが、なかなか寝付けない。)

「うじうじ考えるな…か。」

 ジャックは天井を見上げながら考える。そしてようやく決心する。


 決心はしたもののジャックが次の日ヒロシに会いに行ったのは空が暗くなった頃だった。

ジャックにもいろいろあるんです。どうか温かい目で見守ってやってください(笑)。

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