第百話 「ああ、楽しみにしとく。」
今月第4話。
「話すか?」
「ああ、ちょっと長くなるから下から飲み物持ってくるわ。少し待っていてくれ。」
「あ、お構いなくす。」
俺はジャックが答える前に部屋を出た。
数分後、俺はオリンジュースを入れたコップ2つを乗せたお盆を持って部屋に戻った。
「待たせたな。」
俺はコップをジャックに手渡す。
「ありがとうす。それで話って何すか?」
「ああ。まずどこから話そうかな。」
とりあえず、昨日ケビンさんに話した悩みから話そうかな。
「実はな。俺もこの件で悩んでいてな。…。」
俺はケビンさんに話した事とまったく同じ事をジャックにも打ち明けた。
「プッククアハハハ。」
俺の話を聞き終えたジャックは最初笑いを我慢していたが、最後には大笑いしていた。
「おい、そんなに笑う必要はないだろう。」
あまりにもジャックが笑うから俺もムっとしてしまう。
「アハハ。いやごめんすごめんす。でも安心したす。ヒロシも悩みがある普通の人なんだなって。」
「おい!今まで俺を何だと思ってたんだよ。」
「いや。だってヒロシ普段あんまり弱音とか吐かないから。戦う時も堂々としてるし。でも、良かったす打ち明けてくれて。そうすか。自分が納得いく仕事をするには強くなるしかないんすね。」
「ああ、聞いてみれば当然の事だけどな。それで次の話なんだがな。」
俺はオリンジュースを1口飲んでから次の話を続ける。
「何すか?」
「ジャック、お前ファミリアサンダーバードに入らないか。」
「え!でも、それって…。」
「ケビンさんの承諾は貰っている。ていうかケビンさんから言ってきた。」
俺はジャックが聞く前に答える。
「まじすか。」
ジャックは目を点にして驚いている。
「ああ、どうだ?すぐに答えを出さなくてもいい。少し考えてみてくれ。」
「わ、分かったす。」
「後は…。」
「まだあるんすか。」
「いや、後は明日以降でもいいか。今晩は宴だし、仕事の話はやめとこう。」
今日は次の目標のクエストをしない事にした。
「それじゃあ、今夜待ってるす。」
「ああ、楽しみにしとく。」
ジャックは宴の準備の手伝いがあるらしくマザーステイストに帰った。
(なんていうか。ジャックに話して良かったな。前より相棒感が出た感じがした。これからはもっとコミュニケーションを取っていった方がいいのかもしれないな。)
ついに本編も100話達成!!!これからもよろしくお願いします。