第九十九話 「ちょっと待ってくれ。俺もジャックに話したい事がある。」
今日3話目。
12月12日 8:00
「ふぁー。おはようございます。」
俺は欠伸をしながら、キッチンに入った。
「おはよう、ヒロシ君。フフフ、今日は随分眠そうね。」
エイラさんは朝食をテーブルに運んでいる。
「エイラさんおはようございます。ええ、昨日少し遅くまで本を読んでいたので。」
昨夜ケビンさんに話を聞いてもらった後、俺は自室に戻った。すぐ寝ようと思ったのだが、なかなか寝付けなくて寝むれるまで魔物図鑑Ⅰを読んでいた。
「おはようっす、ヒロシ。」
ジャックがエイラさんの手伝いをしている。
「おはよう、ジャック。…な!何でお前がいんだよ。」
寝ぼけていた俺は自然に挨拶を返したが、よくよく考えればこんな朝早くにジャックがファミリアサンダーバードのキッチンにいる事が不自然だと気付く。
「ハハハ。気付くの遅いっすよ。」
「俺の質問に答えてねえ。」
何時までも笑っているジャックの頭を軽く叩いた。
「ヒロシ君に伝えたい事があるからヒロシ君が起きるまで待ってもらったのよ。ね?」
ジャックの代わりにエイラさんが教えてくれた。
「伝えたい事?」
「そうなんすよ。実は…。」
ジャックが本題を話そうしていた所をエイラさんが遮った。
「話は朝食の後々。ヒロシ君ちゃちゃっと食べちゃって。ジャック君も食べる?」
「あ、俺は先に家で食べてきたっす。」
「あら、そう。」
(なんだろう。珍しくエイラさんが急いでいる。これから何か用事があるのだろうか。)
俺は言われた通り手早く朝食を食べ終えた。
「ごちそうさまでした。」
俺は食べ終え、トレーをシンクまで運んだ。
「はい。ありがとう。」
自室
「とりあえず、ベッドの上にでも座ってくれ。」
朝飯を食べ終えた後、俺はジャックを自室に上げた。
「それで話ってなんだよ。」
「その前にヒロシ、今夜は空いてるっすか?」
「今夜か?まあ大した予定はないが。」
防具を持っていないこの状況では街の外に出る事もできない。
「なら良かったす。実はおかみにうちのジャックが世話になった礼として、今夜マザーステイストを貸し切りにして宴をするからヒロシとファミリアサンダーバードの皆さんを招待してこいと言われたんす。」
「へー。それ皆には?」
(流石にこれは断れないな。)
「さっき伝えたっす。皆さん快く受けてくれたっす。」
「なら俺が断るわけにはいかないな。喜んで行かせてもらうわ。」
「よかったす。話はそれだけっす。それじゃあまた夜に会うっす。」
「ちょっと待ってくれ。俺もジャックに話したい事がある。」
(丁度いい。今話しておこう。)
相変わらずの進行速度(笑)。物語は進まない。




