外伝17 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥
今月2話目。
12月11日 21:00
「今日はヒロシの話を聞いてくださってありがとうございました。」
ラウラとケビンはディナーテーブルでビアを飲みながら話をしていた。
「いやいや。後輩の悩みを聞くのもファミリアマスターの務めだよ。ハハハ。」
ケビンはビアをグビグビ飲む。
「こちらこそヒロシ君が悩んでいるのに気付けなかった。ラウラ君がいて助かったよ。」
「夕食時のヒロシの顔、昔の私達も何かに悩んでいる時はあんな顔していましたから。でも、エースが新聞を取り出した時は焦りました。」
「ハハハ、そういえば君達の話を聞いた事もあったな。ずいぶん昔の事に思える。」
ケビンは昔の事を思い出しながら酒の肴の焼き魚をつまむ。
「フフ。たったの数年前の事ですけどね。」
「ヒロシ君の悩みは冒険者をやっていれば皆にある事だ。これで少しでも解消してくれればいいが。」
「多分大丈夫ですよ。ヒロシは1人ではないので。」
「…ジャック君か。」
ケビンは今朝あった青年、ジャックを頭の中で思い描く。
「はい。少ししか話したことがないですけどいい子でしたよ。」
「私も今朝少し話したが礼儀正しい青年だった。」
2人はジャックの事を思い出しながら話す。
「ラウラ君はこの件周囲の反応が過剰だと思うかね。」
「そうですね。少し過剰な所はありますが、冬越し熊は下級冒険者がまぐれで倒せる相手ではないですよ。」
ラウラは少し真剣に話す。
「それは私も同感だ。ハハハ、私達はとんでもない大物を拾ったのかもしれないな。」
「本当にそうなのかもしれませんね。」
それから2人は後輩の話を肴に飲み明かした。
外伝です。少し短いですが。