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現実逃避からの異世界冒険物語  作者: Piro
下級冒険者編
110/385

外伝16 書くのは易くタイトルは難し

今月最後の話です。

12月11日 10:30

冒険者ギルド総括会 ブィンド支部2階 支部長室

「…それでは俺達はこれで失礼します。」

 ジャック・ビーンとヒロシ・タナカは一礼をしてから扉を閉めた。

「おう、今日はありがとうな。」

 シモン・ベールは短く礼を言って、2人を見送った。

「ケビン、お前本当に良い後輩を持ったな。」

 シモンは部屋に残ったケビン・スノーマンに声をかける。

「ああ。」

 ケビンは満足そうに笑う。

「半年前くらいか、お前がヒロシを拾ったのは。」

 シモンは思い出しながら話す。

「ああ、最初はどこかのスパイなのではないかと疑ったがな。」

 ケビンはおかわりしたコフィを飲みながら話す、

「でも、その顔を見るとその様子はないようだな。」

「ああ。だが、ただの記憶喪失でもないらしい。」

「ほう。」

「まあ、人には誰にも言えない秘密が1つや2つあるもんだ。私達は彼自身から口を開くのを気長に待つよ。」

 ケビンは大した事のないように話す。

(同じ屋根の下に住んでるんだし、そういうのは気にするだろうに。昔からこいつは変わったやつだったからな。)

「そうか。…では本題に入るか。調査の報告を頼む。」

 シモンはそれ以上踏み込まず、ケビンを呼んだもう1つの件を話す。

「ああ、昨夜から今朝までの調査でベーテの森周辺には他の冬越し熊(フローズンベア)の痕跡及び目撃は確認できなかった。第2陣の調査報告しだいだが、おそらく2体目はいないと思われる。」

 ケビンは報告しながら、簡潔にまとめた報告書をシモンに渡す。

「そうか。報告ありがとう。話は変わるが噂は聞いたか、北大陸についての。」

 シモンは報告書に目を通しながら、何気もない世間話をする。

「ああ、確か氷が溶け始めていると。」

「ああ、シャルル王国にはまだ影響は出ていないが、北大陸では異常気象で通年より温度が高くなっているらしい。」

「氷と雪の大陸。…暗黒の大地か。」

 ケビンは少し考えながら言う。

「ああ、見放された大陸、…何も起きなければいいが。」


 自分達が支部長室を出た後にAランク冒険者ケビン・スノーマンと冒険者ギルド総括会ブィンド支部支部長シモン・ベールが不穏な話題を話している事にヒロシ・タナカとジャック・ビーンは知る由もなかった。そして、この事はいづれセロ中を巻き込む大事件の始まりだという事はまだ誰も知らない、神ですら。  

伏線回。

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