外伝15 自己紹介忘れるべからず
今日2話目。
12月11日 7:45
ファミリア サンダーバード キッチン
「おはようございます。」
キッチンで料理しているエイラさんの姿が見える。
「あら、おはようジャック君。怪我はもう大丈夫?」
「あ、はい。もう全然っす。治療ありがとうございます。」
俺は昨日の治療の礼を言った。
(俺もヒロシもなかなかの重症だったのに1晩で全快するって、やっぱり魔法ってすごいんだな。)
「そう、良かった。でも、何かあったら遠慮なく言ってね。」
「はい。」
「朝ごはんもう直ぐ出来るから、先に顔を洗ってきたら。水場は庭に出てすぐそこにあるから。」
エイラさんは庭の方を指さして説明してくれた。
「あ、はい。」
俺は言われた通り水場に向かう。
「っよ、ジャック。おはよう。」
水場で顔を洗っていると後方からヒロシの声がした。
「ヒロシ、おはようっす。」
俺は丁度顔を洗い終わったから、ヒロシが使いやすいように水場から少し離れた。
「ありがとう。」
「うす。じゃあ俺は先にキッチンに戻ってるす。」
「おう。」
「はい。これジャック君の分ね。」
「ありがとうございます。」
俺は席に座り朝食を食べる。ちなみに朝食はバターが塗られたトーストと鳥類の卵の目玉焼き、飲み物にコフィだった。
「おはよう、エイラ。」
後から男性の声がした。
「おはようございます、ケビンさん。」
エイラさんはケビンさんの分の朝食を準備する。ケビンさんは新聞を片手に俺の正面の席に座った。
「君がジャック君か。昨日一瞬会ったが面と向かって会うのは初めてだな。ヒロシ君から話はよく聞いているよ。」
「あ、はい。ヒロシとパーティーを組まさせてもらっている。ジャック・ビーンと申します。」
確かに昨日ちらりと会ったが、治療で挨拶は出来なかった。ヒロシから話は聞いてはいたが実際に会うとオーラがすごい。
「ハハハ。そんな畏まらなくて大丈夫だよ。こちらこそうちのヒロシが世話になっているようだな。ファミリアサンダーバードのリーダーをしているケビン・スノーマンだ。よろしく。」
ケビンさんは立ち上がり手を差し出してきた、俺も右手を出して握手をする。(思ったより気さくな人で良かった。)
「いえいえ、世話になっているのは俺の方す。」
握手して改めて分かる、この人はとんでもなく強い。
自己紹介後、俺とケビンさんは朝食を食べがら、他愛もない世間話をした。
ちょっとした事に外伝書きがち。