表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

俺はなぜかいつも振られる

「怜司、もう別れましょう」

「なんでだよ、柏木」

「私、もう我慢できないの。ごめんなさい」

 そして彼女は俺の前から去っていった。


 俺ははっきり言ってイケメンだ。

 今回去っていった彼女も今までの彼女も皆、あちらから告白してきた。

 そして、どの彼女も1か月と経たないうちに去っていくのだ。



「ねぇ、竜ちゃん。俺の何が悪いの?」

「絡むな、うっとうしい」

 俺は行きつけのバーで幼馴染の竜太郎に絡んだ。

「顔は悪くないでしょ? 俺ってイケメンでしょ?」

「自分でいうな! 認めたくないがお前はイケメンだ」

「なのに何で付き合う子皆離れてくわけ?」

「お前、本当にわかんないわけ?」

「わかんないから竜ちゃんに聞いてるんじゃん」

 竜太郎は大きなため息をついて俺にこう言った。

「自分の胸に手を当ててよく考えてみろ!」

「えー」

 マスターを呼んで会計を済ませ竜太郎は帰ってしまった。

 仕方なく俺も家に帰宅する。



「今日から一人暮らしか。寂しくなるな」


「ただいまーって誰も居ないか」

「おかえりなさい」

「あ、そっか。文代さんがいるから一人じゃないね」

「どうしたんですか?」

「俺、今日また彼女と別れちゃってさー」

 文代さんは残念でしたねと言って、お酒を飲んで帰ってきた俺に水を出してくれる。


 文代さんは俺の同居人だ。

 文代さんは女性で俺は男だけど、これは同棲ではない。同居だ。


 文代さんは俺の生活にはあまり介入してこないが、こうやって振られて帰ってきたときには話を聞いてくれる。


「でね、もう我慢できないとかいうんだよ。意味わかんないっつーの」

「またですか?」

「うん、そう。また同じ理由」

 俺は今回の彼女に限らず今までの彼女皆に同じ理由で振られる。

 皆、我慢できないと言って去っていくのだ。


「何が我慢できないのかわかんないんだよね」

 俺には彼女たちが言っている意味が分からず、悪いところを直すこともできずに毎回同じことを繰り返しているのであろう。


「ねぇ、文代さん。俺って変? どっか悪いところがあるなら教えてくんない?」

「残念ながら私にはわかりませんね。竜太郎君に聞いてみたらどうですか?」

「それが竜ちゃんは、自分の胸に手を当ててよく考えてみろ!っていって教えてくれないんだよ」

「竜太郎君は怜司さんが振られる理由を知っているのですね」

「うん、そうみたい」

「また今度会った時に聞いてみたらどうですか?」

「明日大学で会うからまた聞いてみるわ」



「竜ちゃん!」

「うわぁ。 なんだ、怜司」

「俺さ昨日文代さんと一緒に考えてみたんだけど、俺が振られる理由全然わかんなかった」

「マジかよ・・・」

「マジです。だから教えてよ」

 はぁとため息をつく竜太郎。


「原因は明らかに文代さんだろ!」

「文代さん? それはないでしょ。だって文代さん、おばあさんだよ?」

「いや、おばあさんの同居人がいる彼氏と同棲するのはきついだろ」

「文代さんはお節介を焼くわけではなく、困ったときにはそっと助けてくれる。いい同居人だよ?」

「お前にとってはそうでも歴代彼女たちにはそれは我慢できなかったんだろう」

「マジかよ・・・。 でも、文代さんとの同居やめろって言われても無理だわー」

「しばらく彼女、諦めれば?」

「そうするわ」



「ただいま、文代さん」

「おかえりなさい」

 帰ってくるといつも出迎えてくれる生活っていいよな。

 彼女と同棲していても、俺が帰宅するときに彼女が家にいて出迎えてくれるとは限らない。


「どうでした?」

「文代さん、俺しばらく彼女はいいや」

「そうなんですか?」

「うん。しばらく文代さんと二人で暮らそうと思って」

「そうですか」

 ふふふと文代さんは嬉しそうに笑う。


 俺には文代さんがいない生活は考えられない。





「あれ、柏木。怜司は?」

「別れた」

「なんで?」

「もう我慢できなくてさ」

「何が?」

「家にいるとき、あいつ何かに向かって話しかけてるんだよ?」

「え?」

「何に向かって話しかけてるの?って聞くと文代さんだけどって。 私、怜司が気持ち悪くなってさ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ