4.蟲となった虫達
書きました!遅いスピードですがこれからも書きます!アクセス解析を見たとき意外と見てくださる方がいて本当に感謝です。
はぁ...正直混乱している。自分でも混乱するのはしかたがないと思っている。蟲の神様から異世界へ行けと言われ、行った瞬間から魔物に襲われ、目の前には金太郎だと言う侍が立っているのだ。
「え~と....」
とりあえず軽く整理をしてから金太郎の目を見る。
「き、金太郎。お前どこからここに来たんだ?」
「どこも何もその本の中からです。火にやかれ死んだと思っていたら、私を含む康太様の飼っていた虫たちといました。そして目の前に一つの光った魔方陣があり、康太様が見えたのです。焦って逃げているようでしたので助けに行こうとなり、皆で魔方陣に乗ったのですが、どうやら一度に出ることができず私だけ出ることができました。」
落ちている本をみる、すると蟲名:金太郎と書かれたページが開かれていた。なんとなく推測してみる。多分俺が本のページを開くとそこに書かれている魔方陣が反応し、蟲達のいるところへ繋がる、そしてそのページに書かれている蟲にしか魔方陣は反応しない。これは多分ゲームなのどで言うところの【召還】という行為なのだろう。ん?では一度に一匹しか出られないなら回数を分ければ何匹でも召還できるのか?
「金太郎。他の虫も召還してみよう。」
「いいですね!皆きっと喜びます。」
「よし、じゃあ最初は...」
ページをめくる。やっぱり次に召還するならこいつかな、こっちの姿気になるしな、
俺はページを開いた。
「出てこい!クマちゃん!」
言葉に反応し、魔方陣が開く、そして目の前の地面に同じ魔方陣が現れ、虫が姿を表す。
「あ!まずいものばっかくれるでっかいお兄ちゃんだ!」
俺の目の前に現れたのはちょっとムチッとしたツインテ幼女だった
「は?」
まずいもの?エサが分からないから他の虫のエサを入れて試していただけで、あれをまずいとは心外だ。てかそこじゃない。あれ?召還したの間違えたかな?こんな子供になるやついたか?
「お前クマちゃんか?」
「クマちゃんだよ」
「あのクマムシのクマちゃん?」
「うん。お兄ちゃん縮んだ?」
「いや縮んでねぇよ!お前がデカくなったんだよ!」
こんなはたから見たらよく分からない会話をしていたら金太郎が消えていた。金太郎がさっきまでいた場所には光る魔方陣があり、今は徐々に消えている。どうやら一度に召還できるのは一匹、この世界にいることができるのも一匹までらしい。
「お兄ちゃんなんでそんな怖い顔してるの?なんか、いつも嫌がらせしてくる時の顔してる。」
「いや考えてるだけ!あの時もお前が何なら食べるか顕微鏡覗きながら考えてたんだよ!」
「嫌がらせじゃなかったの?なーんだ!そーだったんだ!まっ、どうでもいいや!」
とりあえずこの子との会話疲れる。俺はまたページをめくる、今度はよく可愛がってたあいつだ。
「出てこい!メアリー!」
また魔方陣が現れる、それと共にクマちゃんは光に包まれ消えていく、
「あれ?なにこれ!もどっちゃう?お兄ちゃんまって~!」
「じゃあな、多分もう呼ばないから!」
「え~!なんでっ」
クマちゃんは続く言葉を発することなく消えて、新たな魔方陣からメアリーが出てくる。
メアリーはシドニージョウゴグモのメスで、海外に住んでいる親戚から送られてきた果物の中に紛れていたのだ、最初はただのクモかと思って素手で捕獲し虫かごに入れてた、後に調べてシドニージョウゴグモだと知ったのだ。
あの時は死ななくて良かったと安堵した。
「はっ!旦那様!旦那様ですか!?よかった...やっと再開できましたね....」
現れたのは黒いドレスのような戦闘服に身を包んだ黒髪の美女だった。現れた途端に俺に抱きついてくる。すごい大きなプリンが俺に押し付けられる。蟲が変身したものとは言え、すごい人間に近いので男として興奮する。
「お、おう。メアに会えて良かったよ、」
「うふふふ、私もですよっ」
「メ、メア、とりあえず今日のうちにみんなを召還したかったけど、少し体が重いんだ。だからみんなにメアから俺がすぐには召還出来ないことを伝えといてくれないか?」
「分かりました。伝えておきます。」
「ありがとう。すぐにみんなに挨拶できるようにするからさ、じゃあね!」
そう別れの挨拶を言ったは言いが、あっちへ送る方法が分からない事を忘れていた。
「あれ....そういえばどうやってメアを返せばいいんだ....」
「そういえば帰る方法は私にも分かりませんね....」
「「う~ん...」」
考えていると空腹感が襲ってくる。上を眺めると空が微妙に赤みがかっていた。
このままここに野宿するのはちょっと危険すぎる、なによりさっきのような魔物にいつ襲われるか分からない。
「考えていてもしょうがないか、二人でこの近くの人の住んでそうなところを探そう。」
「はい、そうですね。」
二人で周囲を警戒しつつ森の中を歩き続ける。すると森の奥の方にわずかに光が見える、さらに奥にはあまり整備されていない道のようなものも見える。村か?でも畑や柵のようなものも見えない、近づいて行くとどうやら馬車の前で男達が夜営をしようと準備しているようだった。
「あの、す、すみません。ここら辺に村はありませんか??」
「あぁんん?誰だ?」
見た目は皆、継ぎ接ぎの皮の鎧をきて無精髭を生やしていた。目つきが異常に悪い、
1人の金のネックレスや指輪をつけたいかにもボスの格好をしている男が近づいてくる。
「森に迷ったか?村はこの道を左に行ったところにある。だがなちょっと距離があるんだ、つく前には夜になっちまう。良かったら一晩は一緒にどうだ?お代はいらねぇ、旅の気まぐれだ」
意外に優しそうだな、よし
「じゃあ...お言葉に甘えて、」
「そうか、もちろんそこの嬢ちゃんもだよな?」
「旦那様がそうするなら、」
「ありがとうございます。助かりました。」
「飯は食ったか?俺らので良かったら食え。」
男がスープのようなものを出してくる。
「「いただきます。」」
恐る恐る口に運ぶ、悪くないが素朴な味で具もあまりない。とりあえず空腹で死ぬことは逃れられたが、
食べながらこれからの事を考えてた。このまま一緒に村に行くべきなんだろう。悪い人達ではなさそうだ。
日も暮れ月が上がる頃、俺はメアと男達から少し離れた倒木に座り考えていた、どうやらメアも死んでから仲間と会うまで一瞬の事でありほとんど何も話を聞いていないらしい。
焚き火の前にボス風の人が座っていた。少しだけ話を聞くことにする。この世界のことも少しでも聞いておきたい。
「すみません。ここはどこなんでしょうか?」
「そんな事も分からないでここにいるのか?お前は奴隷だったのか?....故郷はどこなんだ?お前のいるここはレトリア大陸の東のスミフ領だ」
スミフ領?全く聞いたことがない。多分この大陸はいくつかの国に別れていて、俺達はその一つの国に転生されたらしい、あまりこの人に聞くのも悪い、詳しいことは村に行った時に役所でもあればそこに行こう。
「故郷はここより遠いところです多分....スミフ領ですか、ありがとうございます。」
とりあえずスミフ領を知っている風を装う。
「なぁにそんくらい構わない、今日はもう遅い、寝ることだな、そっちにある毛皮を貸そう」
俺は毛皮を二枚借りた。それを馬車の近くに敷こうとした時、男が、
「ちょっとその近くはやめてくれ、馬車の中には商売道具も入ってるしな」
商人なのか?まあさっき出会った赤の他人だ、それに助けてもらったのだから言うことくらいは聞かなければ、
「すみません。ではあの倒木の近くで、」
俺はそう言い倒木の近くに二枚離して敷く、メアがそれを見て1枚をもう1枚にくっつける。
「そんなに離したら旦那様の体温が感じられません...」
こいつ飼ってた時からやたら身体中這いずり回ってきたけど、こんなヤツだったのか....
「お前だから虫かごから出し時にやたら体を這いずり回ってきたけど、変態だったのか」
「そんな這いずり回ってだなんて、しかも変態?ただのスキンシップですよ~もぅ」
ほっぺもプックリ膨らませて講義してくる。こいつ飼ってたの間違いだったかな。そう思いながらしょうがなく毛皮に寝転ぶ。
「じゃあ、おやすみ」
「お休みなさい、旦那様」
メアは俺に寄り添い目を閉じた。それを見た俺も地面の冷たさとメアの豊満なアレの暖かさを感じながら目を閉じた。
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関係ないですが、クモってかっこいいですよね。自分は子供の頃よく捕まえてました。